大仕事を終えた後は、細々(こまごま)としたパーツをヴィンテージ仕様の物に交換していきますウインク

まずは一番簡単な④で、ボリュームとトーンノブをOLDスタイルの物に交換します。SQUIER純正で付いているのは頭が平な「フラットノブ」。しかも若干小ぶりです。オリジナルテレキャスターがフラットノブになるのは1967年からで、それまでは頭の丸い通称「ドームノブ」。よって右側のパーツに交換しますグッ

ついでながら・・・ノブには横腹に仕込まれたイモネジでシャフトを押して固定する物と、ただ押し込む物だけのと2タイプありますが、本来イモネジタイプは、シャフトがただの円柱だった昔のPOTに対応したためで、現在のPOTのようにシャフトにギザギザとスリット加工がなされている場合は不要なはずの物です。なのになぜか現在でもこのイモネジタイプは多数出回っており、これをスリット付きPOTに使用して強くネジを締めた結果、シャフトの片側を折ったり、折れないまでもゆがんで回転が偏芯した物を見かけます。どうしても古い仕様にこだわるオタク趣味の人は、イモネジノブを使う場合はソリッドシャフトのPOTとセットで交換しましょう。

スイッチノブも丸型のオールドタイプに交換しますが、今回はシリーズ接続可能なUSA製4ポジションセレクターを導入するので、そちらには最初から丸型ノブが付属しています。

 

次も簡単な②で、羽根形ストリングガイドを丸ボタン形にチェンジします。この場合注意すべきは、羽根形は多くの場合ペグネジと同じ物か、それより若干長い物が使われています。しかし丸ボタン形の場合はピックガードネジと同じ物が使われている場合が多いので径がかなり太くなります。なので強引にねじ込んだりせず、2.5mmのドリルで少し穴を広げておきましょうグッ

また、その位置も56年頃までは3弦と4弦のポストの間くらいに打たれていて、現在のような5弦付近ではないのですが、それはロゴの位置との兼ね合いや、埋め跡が残ることもあって今回は移設までは断念しましたチュー

 

次は⑥で、アウトプットジャック(の取り付け方法)の変更です。SQUIERに限らず中国製ギターの大半はレスポールのように四角いプレートを介して取り付けられています。LegendだけはなぜかFENDERとも形式が異なる丸型ですね。SQUIERは本当のレスポールのようにプラスチック製の四角プレートですが、これをカップ型に変更します。

 【右側がSQUIER純正:これを左側の物に交換します】

極初期の52年中頃までは削り出しの金属パーツで、ボディーの穴に打ち込んでいたようですが、このパーツは入手が困難で高価なことから、それ以降のプレス整形の一般的な物に交換します。この丸型の取り付け方法は少々厄介で、付属のリテーナー(画像のカップの下にある物)をまず穴の中に固定し、それをジャック本体とカップで挟むようにして取り付けます。ペンチでリテーナーの角の部分を曲げながら、ちょうど良い位置でトンネルの内壁に食い込むように調整しますチュー

 

また、この作業に入る前には注意すべきことがありますパー

それは塗装前に遡り、このジャック付近の丸みを帯びたボディーエッジを、当て木をしたサンドぺーパーで平に削っておくことです。

カップ型のジャックプレートは曲面に対応したデザインにはなっていません。オリジナルフェンダーや、最初からカップ型を採用しているちゃんとしたブランドのテレを見れば、ここが少しだけ平面に加工されていることに気づくでしょう目

今回はプレート型からカップ型に変更したので、プレートが取り付けられていた4つのネジ穴を埋めた痕跡が残ってしまうのは仕方のないところですショボーン

 

それから前回やった③ブリッジの交換に付随して、当然ながら弦の裏通し(バックローディング)加工も実施しました。「自作ツール」で紹介した「垂直ドリルガイド」を使ってボディーに6個の穴を貫通させ、ストリングブッシュを打ち込みます。

テレキャスターの歴史においてトップローディングブリッジが採用されたのは、1958年後期から1959年中期のごく僅かな期間だけで、あとは一貫してバックローディング仕様です。その中でも60年代いっぱいまではこのストリングブッシュは縁の部分までボディーに埋め込まれる形で取り付けられており、これが70年代に入ると工程の簡略化のためか縁の部分はボディーから飛び出る形で取り付けられています。なので50年代仕様をテーマとした今回は、6.5mmで1.5cm掘ったあと8mmのトリマーで縁を削り、ブッシュ全体をボディーに埋め込みますDASH!

 

もう1つ片付けましょうDASH!

③のピックガード交換でこれが一番簡単かもしれませんが、これとてメーカー純正ではない社外品は、特にネック付近がジャストフィットとはいきませんし、全体の平面形とて不満ゼロではありません。ピックガードの外側のラインとボディーエッジのラインができるだけ均一になるように整形します。

また、ツルツルピカピカの新品状態というのも半艶に仕上げてあるフィニッシュとミスマッチなので、本体の雰囲気に合わせて艶を落とす加工も施します。方法は、まず2000番の耐水ペーパーで完全にマット仕上げにし、今度は2500番から3000番の耐水フィルムで逆に艶出しをします。「だったら最初から3000番でやれば?」とおっしゃるかもしれませんが、自分なりにリアルな経年感を出す方法を模索した結果ですあせる

…という感じで①から⑦までの作業を一通り終了しました。

次回はセットアップも完了し、完成品をお見せできればと思いますニコニコ

 

地域ネコ活動ブログの方が滞っているので少しお時間をください滝汗