はやる気持ちを抑え切れず、夜の10時を過ぎても塗装作業を強行し、レリック加工もほぼ完了しました
塗装作業には嬉しいですが、火事が多発するほどのカラカラ天気です お気をつけください
【これはレリック加工の後、ウェットサンディングした状態です】
【クリアもすでに吹いてあるので、後はひたすら研磨します】
「元々ブラックだった物をまた黒く塗ってどうする?」と言われそうですが、分厚いポリ塗装を剥がして極薄のラッカーフィニッシュにすることで、明かに生鳴りが良くなります。これは電装系のパーツや配線材を交換するよりも、より明確に感じることができるポイントです
YouTubeに、ギターの部品をいろいろ取り換えて音の変化を検証する動画が多数UPされていますが、実のところパソコンを通した音では正直「検証」と呼べるほど厳密な比較はできません。それに変化はあったとしても、音が「良くなった」かどうかは所詮好みの問題なので必ずしも「改善した」と同義とは言えないでしょう。
【ネックも、指板をマスキングした上でブラックに塗装します】
それに比べてフィニッシュの違いは、多くの人が「改善した」と思える結果を得ることができます。ただし、常にラッカーが優れているという訳でもありません。ポリ塗装でも下地処理に手間をかけ極力薄く塗られている物と、ラッカーであってもメタリックやスパークルフィニッシュのように分厚く塗られてる物とでは、自ずと結果は違ってくると思います。
ちなみにYouTube検証動画では、ストラトの塗装を剥いで音の変化を検証する動画がありますが、これはまるで参考になりません。作業を見ていると、アイロン加熱で表層のカラーコートを剥がしただけで生地にまで戻してはいないからです。
このブログの最初の方の記事で取り上げていますが、ポリ塗装は表面のトップコートとカラーコートはとても薄くて簡単に剥がせるものの、その下のシーラー層はとても厚くて強固に材を覆っており、これが木材本来の「鳴り」を阻害する最大の要因になっているからです
塗装の話が長くなりましたが、塗装とレリック加工を終えて電装系の組立てに入っています。GIBSON系の配線は、ストラトのピックガードやテレのコントロールプレートのようにボディーから取り外した状態でハンダ作業ができないので、簡単な治具(ジグ)を作って対処します
治具といっても、ダンボールを長方形で箱形に組んだ物にPOTの位置に穴を開け、そこにシャフトを差しこむだけです
あらかじめこの台上で、POT間のアース線、トーン回路、フェイズ回路などの配線を終えておきます。その状態でボディーに移し、スイッチからのワイヤー、ピックアップからのワイヤー、ブリッジアース、アウトプットジャック線をハンダ付けします
今回搭載するピックアップは3基とも90年代のGOTOH製ハムバッカーです。ヴィンテージスタイルの物よりもややハイアウトプットです。
【11.37とは直流抵抗の実測値で、リア側によりHOT気味の物を配置しました】
【カバードハムにするか悩みましたがオープンタイプに決定!!】
続けてネックをセットして、もう一度弦代わりのナイロン糸を張り、センターずれを起こさないうようにエスカッションを固定する位置を精確に決定します。
計12個のネジでエスカッションを固定。いよいよ全体像が見えてきました
次回は電装系を全て結線し、作動確認まで行きたいと思います