現在関東地方は台風の影響下にあるので、久しぶりに【過去の作品コーナー】です。2回に分けてお届けします
2016年に製作した物ですが、ベースとなったギターを購入したのはさらに数年前です。アイデアは持っていたものの、恐ろしく手間がかかることが明白だったので、手を着ける勇気が湧かないまま放置していました
このギター、最近ヤフオクでも見かけるようになりましたが、1万円以下で落札されています。
ネットで調べると、FIRST ACTというブランドの安物ギターで、新品の定価は35000円(実売は20000円程度か?)ほどで売られている輸入品です。1ハム・1ボリュームでトーンは無しという実にシンプルな仕様で、一見レスポールジュニアのようにも見えますが、ボルトオンネックで4:2のペグ配置はミュージックマンのような珍しいデザインです
私はこれをしばらく眺めていて、ボディーシェイプが何となくブライアン・メイのレッドスペシャルに似ているな~と思えてきました しかし、これを3シングルにしてコントロールキャビティーもザグるとなると、ピックガードも全て手作業で作ることになるし、何よりRED SPECIALは配線が超面倒くさい
アームは諦めてハードテイルのままにするとしても、塗装も含めて40~50時間は覚悟が必要と思われました。これが入手から作業開始まで数年を要した理由です。
さてこのレッドスペシャル。「もどき」を製作してみようと思って見れば見るほど問題だらけの欠陥品だと思えてきました。なにせド素人の少年が、これまたド素人の親父と一緒に手作りしたギターなので無理もありません。夏休みの自由工作としてなら秀作ですが、大量生産して市販するような物ではありません。もしブライアンが有名人にならなかったなら、誰に知られることもなく歴史に埋もれていたことでしょう。
【これはコピー品の画像ですが・・・】
まず第一に、弦長がギブソンよりも短い超ショートスケールなのに24フレットにしてある。このせいでネックエンドからブリッジまでのピックアップ搭載可能スペースが極端に狭い。・・・にもかかわらず3つのピックアップが強引に搭載してあり、リアピックアップは完全にブリッジに隣接している。この配置ではリアは充分な弦の振幅がないのでパワーもなければサスティンも得られない。一説ではリアとセンターはシリーズ接続できるようになっていると聞きますが真相は知りません。私が思い出すのは、彼が常に(トレブル?)ブースターを必要としていたという事実です
レッドスペシャルには熱狂的マニアも多く、かなり研究されているのでこれ以上深入りはしません。どのみち私には正確なコピーを作るつもりなど毛頭なく、ベースモデルを生かして実用的な物を作るのが「なんちゃってビルダー」の真骨頂です
そこで私は、ボディーのザグリとピックガード製作にはストラトキャスター用のテンプレートを使用することにしました。これならピックアップとブリッジの位置関係はストラトと全く同じになり、何の問題も発生しません
ドリルで大雑把に切削したあと
トリマーできれいにさらい
コントロール部分も切削
こんな感じ
一番大変なのがピックガード製作
いい感じになってきました
かなり「らしく」なってきました
注目の電装系については次回に続きます