昨夜遅くに東京に戻りました
ただし昨日今日とお天気がスッキリせず、塗装作業ができないので、作りかけのテレはそのままの状態です。・・・ということで「過去の製作品」を続けますが、数本続けてベースを取り上げたので、またギターに話を戻します。
今日紹介するのは、数年前にヤフオクの「質問欄」からリクエストをいただいて製作した、初めてとなる「なんちゃってJ・ペイジ」になります
私自身は元々パープル派でありましたし、ペイジの愛器といって思い浮かぶのは、2本のバーストや、テールピースが後退したダブルネックSGくらいで、どちらも外観上の特色の無いモデルなので、なんちゃってビルダーの私に出番はないと思っていました。ところがある日「ドラゴンテレを作ってみてほしい」とリクエストをいただき、最初は何のことかピンときませんでした
【ほとんど参考にならない画像】
ネットで調べてみると、諸説ありますが、1997年頃の本人のインタヴュー記事で、J・ベックからもらった59年製テレを友人が勝手にペイントしたものだと分かりました。デザインはどこがどう「ドラゴン」なのかよく分かりませんが、使用期間がごく短かったようでZEPマニアにしか知られていないのでしょう。資料も少なく、FENDERカスタムショップもレプリカを出していないようです。
しかもこのテレキャスター、配線については様々な情報が錯綜しており、実体がイマイチ分かりません。レスポールのような太い音が出るので、両方のピックアップをシリーズ接続できるように改造しているという話がある一方で、セレクターのミックスポジションではフェイズアウトするように結線されているという話もあります。また、PLAYER別冊『WHOES GEAR?』では、トーンを外してブレンダーを装備しているとしています。(どれがホンマやねん)
私はかつてこのレプリカを2本製作したのですが、1本目ではシリーズ接続が可能なように配線し、2本目はトーンのPOTをスイッチPOTにして、フェイズスイッチを装備してみました。
また、このドラゴンテレは59年製なのでテレの長い歴史の中でも短期間しか存在しないトップローディング仕様です。ZEPについて勉強不足な私は、安物にはいくらでもトップローディング仕様があるのに、この時に限ってバックローディングの個体を選んでしまい、後で気づいてこれをわざわざ埋めました
その痕跡を消すため、本当は剥ぎナチュラルなのにブロンドカラーで仕上げています
この2本目は、最初からトップローディングのボディーを使い、カラーも剥ぎナチュラルにしてます
このモデルを製作する上で一番の苦労は、ブリッジの両サイドを囲むように面積が拡大された透明ピックガードの製作です。
透明ピックガードは市販品にもありますが、この僅かな面積追加のために型を起こして自作するしかありません
【このピックガードの製作はとても面倒です】
さらに一番の問題は自信のないペイントです。そもそもこのギターの鮮明な画像がありません。色の分からないモノクロだったり、カラーでもペイジの腕で半分見えなかったり最悪です。それで楽器店が製作したレプリカや個人製作者の作例を参考にしました。細部を比べてみると、それらの間にも大きな違いが認められますので、私自身もあまり細部は気にせず、フリーハンドで大雑把に仕上げました。仕上げにはクリアのトップコートを吹いてペイントを保護してあります。
クラプトンのサイケSGやハリスンのサイケST、ヘンドリックスのサイケⅤを繰り返し製作してヤフオクに出品なさっている方がいらっしゃいますが、アレにはほんと頭下がります。このドラゴンテレの場合、着色面積はボディー表面の20%以下だと思いますが、クラプトンSGやハリスンSTの場合はほぼ100%でしょう。私のカスタムは木工部分と回路設計がメインで、塗装はせいぜい全体のリフィニッシュ(たまにエイジド加工)くらいで複雑なペイントは初めてでした
私はつい最近、ビグスビー付き3PUのレスポールカスタム、通称No,3を製作したばかりですが、このドラゴンテレにもまた挑戦しようと思います