28日早朝に車で東京を出たものの、神戸⇒北九州間のフェリーが台風で欠航し、結局計1200kmを車で移動して福岡の実家に帰省していますチーン

こっちにいる間は「過去の製作品」でお茶を濁させていただきますうずまき

 

テレギブ、オックスブラッド、フランケン、エスクワイア、白シェクターの全5種をラインナップしたところでネタ切れとなった「なんちゃってJ・ベック」シリーズでしたが、最後に私はこんな物を製作していましたひらめき電球

 

そもそも、ベック本人ともメーカーとも何の関わりものない私には、レプリカを忠実に作らなければならない義務もないわけで、現実には存在しない想像上の物も自由に作れます。

名づけて「エスギブ」です。エスクワイアとテレギブを足して2で割ったような遺伝子組み換え仕様になっています。それも見た目だけではありません。両者のサウンドの特長も兼ね備えたギターを目指しましたDASH!

 

 

コントロール部を見ると、通常のテレと同じく、ボリューム、トーン、セレクターの3つのみですが、そのセレクタースイッチには、様々なワイアリングが可能な4回路5接点のスーパースイッチを採用しました。

このスイッチは、パネル上に出ている部分だけ見れば、何の変哲もないストラト用レバースイッチですが、パネル下の部分を見ると、ほぼ倍の大きさはあるであろう4回路5接点の巨大なシステムが現れます。初期の物の中には、レバーの可動範囲が広く、ピックガードの溝を両側に拡張しなければならなかったり、巨大すぎてコントロールキャビティーを広げる必要のある物もありました。最近の物にはかなりコンパクト化された物もあって、なんとかテレの狭いコントロールキャビティーにギリギリ入る物を見つけました。4回路5接点は高機能で、ズラリと並んだ端子を眺めていると様々なアイデアが浮かんできます。3000円と高額なスイッチですが、その可能性は無限大と言っていいでしょう!!

 

 

・・・で、今回はまず2芯タイプのハムバッカーを一度分解してタップ線を取り出す改造を施し、2個のダブルコイルを4つのシングルコイルに見立てて、その組み合わせをスーパースイッチ1つで一括制御しようという魂胆です。やや複雑な配線になるので文章では説明できませんが、レバーの位置と起動するコイルの関係は以下のようになります。

※レバースイッチの位置はノーマルなストラトの場合を表します。

 

レバーの位置がそれぞれ

① ブリッジ側の位置で:リアのハムバッカーサウンド

② リア+センターの位置で:リアのタップ(シングル)サウンド

③ センターの位置で:フロントタップ+リアタップのハーフトーン

④ フロント+センターの位置で:フロントのタップ(シングル)サウンド

⑤ ネック側の位置で:フロントのハムバッカーサウンド

 

ようするに2ハムでありながら、スイッチPOTを使うことなく、5点スイッチのみでストラトやテレ風のサウンドも得られるシステムになっています。これは便利で、直流抵抗値1619kΩのハイパワーハムバッカーによるハードディストーションから、コイルタップによる色気のあるハーフトーン、繊細な鈴鳴りのシングルコイルサウンドまで、これ1台でオールマイティーにこなしますキラキラ

 

実はこの「エスギブ」、まったくもって私の空想の産物、という訳でもありませんパー

 

オックスブラッドの実物写真のところで紹介した1978年発行のPlayer別冊「The BECK BOOKP143に掲載されている画像を見ると、テレギブのエルボーコンター部は木地が少し露出しています。これは肘の当たる部分の塗装が擦れて自然に剥げているというのではなく、ボディーが若干削られているそうです。ジェフは、「ダンカンが最初にテレギブの写真を送ってきた時にはまだ削ってなかったから、自分のエスクワイアを真似しようとしたんだろう」と語っています。ダンカンはジェフのエスクワイアを真似ようとして挫折したようです(P142)。あるいは「本物が手に入ったからいいや」ということかもしれません・・・

 

・・・ということは、もし双方のギターのトレードが成立していなかったとしたら、あるいはダンカンに最後までやり遂げる根性があったなら、テレギブは最終的にはこのギターのような姿になっていた可能性が大きいといえるでしょう。全く根拠のない想像物ではないのです!!

実際これだけの量の木を削るのはかなり大変で、専用の工作機械を持たない個人ビルダーは、カンナやノミを使ってひたすら削ったあと、きれいにヤスリをかけて仕上げないといけませんあせる

細部の仕様についてもこだわっています。リアルテレギブのネックは、元のローズ指板を剥がしてメイプル指板に張り替えたものと言われており、コレも同様に貼りメイプル指板のネックにしています。リアルテレギブはFENDERロゴが剥がされていますが、コレは最初からロゴなしでした。困ったのはストリングガイドで、エスクワイアは丸型1個、テレギブは羽根型2個です。それで折衷案として、70年代初期の位置(5弦ポスト付近)に丸型1個としてみましたレンチ

 

ジェフ・ベックに縁のあるエスクワイアとテレギブの魅力を、外見とサウンドの双方で満載したリアルレリック仕様。またいつか機会があったら製作してみようと思いますニコニコ