「なんちゃってJ・ベック」をシリーズ化した私が次に挑んだのはこれ
ジェフがそのキャリアの最初期に使用していたエスクワイアです
ジェフが世界的な評価を得たのは、ボーカルバンドをやめてインストゥルメンタル中心のソロ活動(アルバムでいえばBLOW BY BLOW)に入って以降なので、ジェフベックグループよりさらに前のヤードバーズ時代の愛機がこれほどまでに有名になったのは、ひとえに現所有者がセイモア・ダンカンであるためでしょう(※現在はロックンロール・オブ・フェイムに展示)。
彼がテレギブを提供する見返りにコレをもらったというエピソードが広がったために、伝説がひとり歩きを始めたということだと思います。さらに言えば、当のベック自身がそのことを後悔していたという事実が、さらに伝説に拍車をかけているように思います
ベック自身が短期間しか使用しなかった上に、若いベックファンの中にはヤードバーズ時代のプレイを聞いたことがない人も多いはずです。にもかかわらず、このギターの事だけは誰もがよく知っており、近年USAカスタムショップからもトリビュートモデル(160万円!?)が150本限定で出たことは記憶に新しいところです。
私は過去にこれのレプリカを計3本製作しています。
まず1本目は、何のブランドをベースにしたかも記憶にありません。PHOTOGENICとはブリッジサドルの形状が違うので、他の中国ブランドだと思います。
このエスクワイア、実は1ピックアップじゃありません
【見えない部分に仕込まれたシャドーハムバッカー】
ピックガードの下にはハムバッカーが仕込んであり、フロントピックアップの音を出すことができます。そういう意味ではテレキャスターです。そもそも私が製作するレプリカは「細部にわたって忠実に」という気は毛頭ありません。以前に記事にしたように、実用に適さない物を作っても仕方ないので、良かれと思えば自分のアイデアを大規模に導入します。気まぐれなので人気取りであえて古い仕様にこだわってみたり、逆に現代的にモデファイしたり様々です
弦から遠い分感度が低くなるので高出力なハムバッカーを搭載していますが、それでもいまひとつ音の輪郭が満足のいく次元には達しなかったので、その反省を生かし、下の2本目を製作しました。
この2本目もすみません。ベースモデルのブランド忘れました。ブリッジの形状やロッドナット入口にプラスチックの囲いがあるのでPHOTOGENICではないです。
ご覧のようにマットブラックのピックガードに合わせてマットブラックのカバードタイプPUを搭載しています。エスクワイア風に目立たないようにしていますが、事実上フロントハムテレキャスターです
トーンノブのPULLでコイルタップ機能も装備しましたが、さすがにこれを「エスクワイア」と呼ぶには気が引ける作品でした
【実用的ではあるんですけどね・・・】
こういった失敗を経て3本目を製作しましたが、今度は作業途中の画像もたくさん残してあるので次回の記事で詳しくご紹介いたします