(1)「アルコール依存症への認知行動療法:効果があることが証明されている」(ニューヨーク州立大学、ハンソン教授)
「アルコール依存症に対する認知行動療法は効果がある。認知行動療法は、思い込みや考え方に注目する」
「認知行動療法には次のようなステップがある。
・問題を明らかにする
・その問題に関する思い込み、考え方、感情を明らかにする
・その誤った正しくない思い込み、考え方、感情を変える」
(2)「認知行動療法」(英国NHS)
Cognitive behavioural therapy (CBT) - NHS (www.nhs.uk)
「認知行動療法は通常、1週に1回~2週に1回、全部で5~30回、1回30~60分かけて行う」
「患者さんの問題を、考えかた、感情、行動に分解する。それらが不適当かどうかを吟味する」
「不適当なものを、どのように変えたらよいかを考える」
「新しい方法を実際に行ってみて、その影響を次回に報告する」
「認知行動療法の欠点:
・この療法の成否は、行動改善のための本人の能力に依存する
・飲酒の原因が、本人の考え方の誤りである場合には効果的であるが、飲酒の原因が、複雑な家庭環境である場合や、本人の過去の出来事である場合には効果的でない」
(3)「アルコール使用障害とうつ病が共存する場合の、認知行動療法と動機づけ面接による治療:メタアナリシス」
「2013年6月までに行われた12の研究、計2162人を検討した。アルコール使用障害とうつ病が共存する場合に、認知行動療法と動機付け面接を行うことは、通常の治療に比較して効果があった」
(4)「アルコール依存や他の薬物依存に対する認知行動療法のメタアナリシス:対比する状況における治療成績
「認知行動療法が、アルコール依存症や他の薬物依存症に対して効果があるかどうかについて、30の無作為対比研究を検討した。認知行動療法は、無治療、最小の治療、非特異的な治療より効果があった。しかし、エビデンスに基づく特異的治療より優れているとは言えなかった」
(5)「アルコール依存症の治療プログラムー認知行動療法の使用」
Alcohol Addiction Program - Using Cognitive Behavioral Therapy (CBT)
「物質使用障害のような行動障害は、個人が獲得した誤った思い込みと不適切な対処法により生じる。これが認知行動療法の基礎になる考え方である」
「週1回1時間で12回の治療を行う」
(6)「認知行動療法:なぜそれがあなたの回復を助けるか」
Cognitive-Behavioral Therapy: How It Can Help You Recover (addictions.com)
「認知療法
個人の考えや思い込みは、感情や行動に大きい影響を与える
個人の考えや思い込みを、より適応的で健全なものに変える
行動療法
不健康な行動パターンを、健全なものに変える」
(7)私は禁酒してから10年以上経過していますが、寝る前にお酒を飲んでいた時期があります。休日などに、多く勉強したことに満足して、寝る時にお酒を飲みました。すると、睡眠が浅くなり、長期記憶に残りにくくなります。薬物には、そうした恐ろしい作用があります。寝つきを良くするためにアルコールを摂取しても同じです。仕事が終わって夕食のときにお酒を飲んだこともありました。仕事が終わったからといってお酒を飲まなくても良いのです。別の形でほっとすれば良いのです。アルコールを飲む理由の「頑張ったご褒美」とか「ぐっすり寝るため」とか「ほっと一息つくため」とかは、私の誤った考えによるものでした。記憶を定着させるには、正しい食事をして、十分な睡眠時間を確保することが必要です。依存性の薬物は、不要であり有害です。アルコールは発がん物質です。日本では毎年、約1万8千人がアルコールによるがんで死亡しています(国立がんセンターによる)。お酒の良いイメージは、お酒会社の販売促進によるものです。