(1)従来の方法:否認するので直面化させる 「あなたは完全なアル中だ」

              懲りないので、底つきを待つ

 

(2)成瀬先生が推奨される新しい方法   

      動機付け面接

      行動随伴性マネージメント

      治療者の共感的態度

 

(3)NHSの治療法(アルコール使用障害)

Alcohol misuse - Treatment - NHS (www.nhs.uk)

・短時間の介入

・減らすのか、完全にやめるのか

・解毒(アルコールを抜くこと)と退薬症状(禁断症状)

・アルコール依存に対する薬物療法(アカンプロサート、ジスルフィラム、ナルトレキソン、ナルメフェン)

・アルコール依存に対する治療

    自助グループ(A.A.)

    12段階プログラム

    認知行動療法

    家族療法

・飲酒日記をつける

 

(成瀬先生が推奨する方法は、あまり強調されていません)

 

(4)米国NIHのNIAAAのアルコール治療

Types of Alcohol Treatment | Alcohol Treatment Navigator | NIAAA (nih.gov)

・通常の外来診療

・頻回の外来診療+時々の入院診療

・泊りの診療

・入院診療(退薬症状の治療)

 

通常の外来診療の代わりになる治療法

・自分用の治療‥‥‥保険のカバーがあれば、依存症専門のセラピストや医師のチームを作って、自分用の治療を受けることができる

・遠隔治療‥‥‥‥‥電話またはテレビ電話によって治療を受ける(多くの州で、保険やメディケイドは、遠隔治療をカバーしている)

・自分で学ぶ‥‥‥‥ネット上の有益なサイトを見て自分で学ぶ(リンクあり)

・自助グループ‥‥‥同じ境遇の人々と会話を行う

 

Treatment for Alcohol Problems: Finding and Getting Help (nih.gov)

・投薬治療

・行動療法

   認知行動療法

   動機付け療法

   家族カウンセリング

   短時間の介入

・互助グループ 

 

(5)癒しの寄り添い

Therapeutic Alliance - THERAPTEUTIC ALLIANCE

「『癒しの寄り添い』というのは、患者さんと治療者の協力的な関係のことである」

「『癒しの寄り添い』を素早く形成する方法の一つは、そのための言葉を学ぶことである」

 

(6)「アルコール依存症の人を治療に引き入れる2つの方法」

2 Ways to Get an Alcoholic into Treatment | Alcoholism - YouTube

・家族などの関係者を集めた上で、専門家が計画的に介入する

・「なぜあなたの周りの人は、あなたの飲酒を問題にするのか」について本人と話し合う

 

(7)「アルコールとうつ病」

Alcohol and Depression - Dr. Conor Farren 2013 - YouTube

「アルコールを飲まない状態になると、うつ病になりやすい」

「運動はうつ病に非常に良い影響を与える。しかし、ゆっくり10分歩く程度では効果がない」

 

(8)世界保健機構WHO「アルコール」(既出)

Alcohol (who.int)

(これらの方法は有効です)

「アルコールの有害な使用から来る重荷を減らす方法

  ・アルコールの販売促進活動を規制する(特に若い人に対して)

  ・アルコールの入手しやすさを規制する

  ・飲酒運転に対して適切な政策を実施する

  ・課税や価格政策を通じて需要を減らす

  ・アルコールの有害な使用からの健康被害や、効果的なアルコール政策による支援について、人々に広く知ってもらう

  ・アルコール使用障害のある人々に対して、アクセス可能で支払い可能な治療を提供する

  ・健康サービスにおいて、害のある飲酒を見つけるスクリーニングや短時間の介入を行う」

 

(この逆が、アルコール会社の戦略です。テレビ局や政治家に多くのお金を払う必要があります

  ・販売促進活動を通じて、良いイメージを売り込む(特に若い人に対して)

  ・アルコールを入手しやすくする

  ・アルコールを安くする

  ・アルコールの害について触れない(報道しない)

  ・効果的なアルコール政策について触れない(報道しない)

  ・治療に結びつけない(大量飲酒者を放置する)

  ・健康サービスにて放置する)

 

(9)「しらふコイン」

Sobriety coin - Wikipedia

(AAにおいて、ある期間しらふを続けると、コインのようなご褒美がもらえるとのことです。行動随伴性マネージメントの一つです)

 

(10)「アルコールと不平等」

Alcohol and inequalities | Alcohol Change UK

「アルコールの健康障害は、貧困地域に多い。しかし、アルコールの消費は通常は、貧困地域に少ない」

 

(11)「アルコール」世界保健機構WHO(既出)

WHO | Alcohol

「一般的に言って、国が裕福になるほど、アルコールの消費は増え、飲まない人は減る」

 

(12)「よりお金持ちの人は、より多くのお酒を飲む」Healthline

Drinking Problems and Rich People (healthline.com)

「最近の研究によれば、次のようである。お金をより多く持つ人は、アルコールをより多く消費する。そして軽いアルコール障害を起こすが、お金の少ない人のような重篤な健康障害を起こさない」

「重篤なアルコール使用障害のある人は、やめることができないし、減らすこともできないし、飲酒をコントロールすることもできない」

「アルコールの値段が上がれば、消費は減る」

「多くの人は、苦痛を減らすために飲む」

 

(13)「国別の一人当たりアルコール消費量」(Wikipedia英語版)

List of countries by alcohol consumption per capita - Wikipedia

(国の富と関係があります)

 

(14)「アルコールの濫用や依存を起こしやすい要因」

Factors That Influence Alcohol Abuse And Addiction - Vertava Health

・精神的要因(精神疾患を持つ人は、濫用したり依存症になったりする割合が、より高い)

・遺伝的要因(依存症になるかどうかは、遺伝によって50%決まる)

・環境要因(例:子どものころにアルコールを多く消費する人と暮らしたこと)

・社会的要因(例:アルコール消費を容認する社会)

・その他(飲酒歴、飲酒開始年齢、教育、多量飲酒、ストレス、同僚からの飲酒圧力(特に若い時)、低い自己評価、雇用状態)