(1)「信頼はなぜ裏切られるのか」(デステノ、寺町訳、2015年)

信頼はなぜ裏切られるのか―無意識の科学が明かす真実 | デイヴィッド・デステノ, 寺町朋子 |本 | 通販 | Amazon

「社会階層の低い人のほうが、他者を信頼し、自分も誠実に行動する」

「社会階層の高い人は、不誠実に振る舞う傾向があるだけでなく、他者を信頼する意欲も全般的に低い」

(社会階層の低い人にお金が入ると、社会階層の高い人が持つ傾向が獲得されるとのことです)

(誠実な人は、自分がカモであることを示す信号を発しているそうです)

 

(2)「協力と裏切りの生命進化史」(市橋、光文社新書、2019年)

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「協力関係があるところには、必ず裏切り者が生まれ(る)」
「協力関係を長期間維持している生物は、実に様々な方法で裏切り者を抑え込んでい(る)」
(お金や社会階層についての記載は見当たりませんでした)

 

(3)「感情と協力行動」(友野)

59304704.pdf (core.ac.uk)

「自己規制

  ・目覚まし時計を遠くに置く

  ・給料から天引きして貯金をする」

「裏切りに対して怒りで対応すれば、合理的人間よりも多くの利益を得ることがあり得る」

(感情の出現と定着。進化から見て安定。しかし多くは利己的)

 

(4)「貨幣の起源について」(平山)

Microsoft Word - 01...R.doc (core.ac.uk)

「原初の物々交換においては、相手を相互に特定し、長期間維持される互酬関係を志向したはずであろう」

「ソウジウオ‥‥‥互恵的利他行動」

「チスイコウモリ‥‥相互保険行為」

「定住集落を形成するようになった縄文時代以降、産出地から何百キロも離れたところまで石が運ばれるようになった」

 

(5)「アフリカ熱帯林の狩猟採集先住民ピグミーの食の変貌について」

食卓からみる世界-変わる環境と暮らし第2回 アフリカ熱帯林の狩猟採集先住民ピグミーの食の変貌について | 一般財団法人 地球人間環境フォーラム (gef.or.jp)

「(先住民のピグミーにとって)狩猟採集の産物で自給自足し、その産物を農耕民と物々交換すればいいという時代は終わった。多くの先住民は日々暮らしていくために、その日に必要な金銭を稼ぐしかない。」

 

(6)「こころの進化と文明の発達」(長谷川真理子先生)

Kokoro_no_mirai_2_03.pdf (kyoto-u.ac.jp)

・分業をした方が良い

・専業となる人も出るだろう

・交換が必要になる

・交換するには、貨幣があった方が良い

・お金があれば欲求を満たすことができる

 

(自分のお金を自分のために使えば、100%の効用があります。親や子や兄弟のために使えば50%の効用があります。他人のために使えばわずかな効用しかありません)

(狩猟採集生活者は、元々、他部族を滅ぼしても自分達の利益を求めることがありました)

(ある行為が遠くの人々の健康を害しても、お金が得られるのなら、それをした方が自分の効用は上がることになります)

 

(7)「所有と分配の力学」(松村)

Dynamics of Possession and Distribution.pdf (okayama-u.ac.jp)

「(農村社会において)作物が収穫されたとき、雨季で食糧が不足するとき、持つ者は持たざる者から乞われたり、自発的に与えたりしている」

 

(8)「食うために働き、働くために食って寝る」(古野)

食うために働き、働くために食って寝る(狩猟採集民社会の労働)【後編】 | 人材・組織開発の最新記事(コラム・調査など) | リクルートマネジメントソリューションズ (recruit-ms.co.jp)

「狩猟採集民には、狩猟採集民ならではの不安があ(る)。感染症にかかるかもしれない。他の集団から襲われるかもしれない。毒蛇にかまれるかもしれない。獲物が捕れないかもしれない」

 

(9)「アフリカ狩猟採集民ブッシュマンの昔と今」(田中)

Himalayan-17-127.pdf (kyoto-bhutan.org)

「政府は学校、診療所、宿舎、店舗などさまざまな建物をつくり、その建設や道路工事の作業には住民を雇いあげて現金収入の途をひらいた」
「狩猟採集経済は破綻し、配給と年金に依存せざるをえない現金経済の世界へと足を踏みいれた」