(1)タバコの広告

 

昨日、本屋に行って週刊誌を見ると、最新号の週刊現代と週刊ポストに加熱式タバコの広告がありました。見開きの2ページにわたる広告です。これは、タバコ枠組み条約に違反するか、この条約の精神に反しています。日本の政府と裁判所は、国会が批准した国際条約をあまり気にしていないようです。

 

タバコ枠組み条約には、次のように書かれています。「『タバコ製品』とは、喫煙用、吸引用、かみ用又はかぎ用に供するために製造された製品であって、全部又は一部が原材料としての葉タバコから成るものをいう」。加熱式タバコは、タバコの葉を加熱するものですから、『たばこ製品』に該当します。

http://www1.sumoto.gr.jp/shinryou/kituen/fctc.htm

 

(2)昔、私はなぜタバコを吸っていたか

18歳でタバコを吸い始めるまでに、タバコを吸わないための効果的な情報提供(教育)を受けなかったからです。

また、18歳でタバコを吸い始めるまでに、喫煙を促すような情報提供(誘惑)を受けたからです。

 

(3)次のような動画と文献を見ました。

 

「タバコの共謀 The Tobacco Conspiracy」(National  Film Board of Canada)

https://www.youtube.com/watch?v=gYLR_dVJ1fY

http://onf-nfb.gc.ca/en/our-collection/?idfilm=53882

「若い人にタバコを吸わせる最も効果的な手段の一つは、テレビや映画に喫煙シーンを入れることである」

 

タバコ戦争Ⅰ Tobacco Wars Ⅰ (BBC)

https://www.youtube.com/watch?v=iplzsMazQz4

「ラッキーストライクというタバコは、女性をターゲットにして『スリムな体型を保つことができる』と宣伝した」

「映画の主人公は、タバコを吸う役割モデルとして利用された」

「第二次世界大戦の終戦時に、英国兵士の喫煙率は82%であった」

 

タバコ戦争Ⅱ Tobacco Wars Ⅱ (BBC)

https://www.youtube.com/watch?v=moyJSnwEcIs

「科学者は、タバコががんを引き起こすことを証明した」

「9歳の子どもは、タバコの害を宣伝するテレビCMを見て『お父さん、タバコをやめて。タバコはお父さんを殺そうとするよ』と言った」

 

タバコ戦争Ⅲ Tobacco Wars Ⅲ (BBC)

https://www.youtube.com/watch?v=M0Uk3WQjlbs

「キャメル社は、タバコのマンガ・キャラクターを採用した。大人の喫煙率は上昇しなかったが、子どもの喫煙率が上昇した。キャメル社製のタバコの市場占有率が上昇した」

「タバコ会社の内部文書が持ち出され、インターネット上に公開された」

「タバコ会社は、タバコの健康影響や依存性についてずっと以前から知っていた」


タバコの誘惑:なぜ10代の若者はタバコを吸うのか Seduction of Smoking - Why Do Young Teenagers Smoke? (Reel Truth Documentaries)

https://www.youtube.com/watch?v=WtVxrgnRbds

「大多数の喫煙者は、未成年の時代に喫煙を始める」

「英国では、毎年20万人の未成年者がタバコを吸い始める」

「ブリティッシュ・アメリカン・タバコBATの利益は、毎年増加している」

「オーストラリアのタバコは、全面がタバコの害を示す写真となっている」

「オーストラリアのタバコ小売店は、タバコを展示しない」

 

21世紀に巨大タバコ会社を打ち倒す Beating Big Tobacco in the 21st Century (TED、2019年4月)

https://www.youtube.com/watch?v=ropmbb0DnmM

「多くの喫煙者は、18歳以下で喫煙を始める」

 

タバコの驚くべき歴史 The Surprising History of Tobacco (個人)

https://www.youtube.com/watch?v=DORfPGMv-kc

「奴隷は、英国の出資者や大英帝国の要求に沿う厳しい状況で働くことを強いられた。植民地は、奴隷なしでは機能しなかった」

 

電子タバコ:ようこそ巨大タバコ会社 E-Cigarettes : Welcome Back, Big Tobacco - the fifth estate(カナダ公共放送CBC)

https://www.youtube.com/watch?v=B2myg-4zkE8

(電子タバコは通常のタバコをやめるための手段になり得ると主張しています)

(電子タバコではなくニコチン置換薬がお勧めです。いろいろなタイプがあります)

 

電子タバコ E-cigarettes / vapes (英国NHS)

https://www.nhs.uk/smokefree/help-and-advice/e-cigarettes

「電子タバコは、普通のタバコに比較すればリスクは少ない。電子タバコは、禁煙に役立つ」

(英国政府は電子タバコに寛容です。しかし、電子タバコを吸うとむしろ禁煙しにくいという報告があります。また多くの人は、電子タバコではもの足らずに普通のタバコとの併用になります。これまでにも低タールや低ニコチンのタバコというのはありました)

(米国CDC、世界保健機構WHOは、電子タバコに否定的です。米国では若い人のゲート・ウェイになりました)

(日本では、ニコチンを含む電子タバコは売られていません)

(アマゾンの電子タバコの製品評価を見ても、『禁煙できた』という書き込みは見当たりません)

 

タバコの誘惑:電子タバコは害が少ないか Seduction of Smoking - Are E Cigarettes Less Harmful? (Reel Truth Documentaries)

https://www.youtube.com/watch?v=331UY3qvTNw

「賛成派の主張:『電子タバコは害が少ない。禁煙に役に立つ』」

「反対派の主張:『電子タバコを新しく始める人がいる。ゲートウェイになる。普通のタバコと併用になる』」

「タバコ会社は利益を増やそうとするだけである。これまで真実を語ってこなかった」

 

証拠、政策、そして電子タバコ:英国は議論を蒸し返すか Evidence, Policy, and E-Cigarettes — Will England Reframe the Debate? (2016年4月7日)

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp1601154

「人々は、ニコチンのためにタバコを吸う。そしてタールのために死ぬ」

「ニコチンの依存性は強力であり、禁煙は極めて困難である。しかしニコチン自体の害は、あまり大きくない」

 

(すでにあるニコチン置換薬を使えば良いでしょう。それなら安全性と有効性が証明されています)

 

タバコをやめるためにできる最も良いことは何か What is the Single Best Thing You Can Do to Quit Smoking? (Youtubeの動画、個人)

https://www.youtube.com/watch?v=z16vhtjWKL0

(禁煙の仕方について、一通りの知識が入ります)

・準備

  心の準備

  過去の経験から効果のあるもの

  何が再喫煙をもたらしたか

・実行 

  単純化する

  ルーチンをやめる(いろいろ変える)

  ある場所を避ける

  気晴らしをする

・やめる理由を明確化する

  医学的理由

  タバコを吸っても退薬症状が消えるだけ(ストレスは減らない)

  ニコチン依存症になっている(ニコチン置換療法がお勧め)

・再喫煙(失敗)は、成功の過程である