(1)「行動変容」(厚生労働省内にある文書)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/info03k-05.pdf
「知識を習得しただけでは、行動の変容は起こらない。なぜならば人の生活行動・ライフスタイルは、個人の価値観や信念をはじめとする様々な要因が複雑に影響し合って構築されているものだからである」
(私はタバコを吸っていた頃、タバコの害についていくら勉強しても禁煙はできませんでした。勝間さんは、分かることとできることは別であると述べておられます。次の「スイッチ」という本では、ゾウ使いとゾウにたとえています。ゾウ使いがいくら頑張っても、ゾウは自分の行きたい方へ行きます)
(今、私が行っている古い行動というのは、数十憶年の進化の過程を経た行動です。生存競争に勝ち抜いた行動です。非常に適応した行動です。うまく行っているので、私が存在しているのです。これに対して、新しい行動というのは、うまく行くかどうか分かりません。見た目が良いだけかもしれません。差し迫った危険があって、古い行動では全滅が明らかな時以外は、元の行動をしておいた方が良いのではないでしょうか)
「自己効力感を高める方法
いきなり実行困難な目標を設定するのではなく、本人が実行できそうな目標を設定し、目標が達成できたら次の目標へと順次高めていく(ステージ理論)」
(小さな目標とその達成を積み重ねるのは良い事です。しかし例えばタバコの場合はどうすれば良いのでしょう。漸減する方法はあまりうまく行きません。完全に禁煙するかどうかが大きな分かれ目になります)
「実行期では行動変容を強化するために刺激統制法を利用するが、永続的に刺激を回避できるわけではない。維持期に向けて、刺激に面した場合の対処法について学習していくことが必要となる」
(刺激統制法とは、家の中に甘いものを置かないというような方法のことです)
(2)「スイッチ!」(ハース、千葉訳、2013年)
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%83%83%E3%83%81%EF%BC%81-%E3%83%81%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%82%B9-ebook/dp/B00FJ1DWBE/ref=sr_1_5?dchild=1&keywords=%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%83%83%E3%83%81&qid=1590386801&s=books&sr=1-5
(著者は、行動改善が行われた事例を多く集めておられます。そして、抽象的な議論ではなく、事例に則した具体的な議論を行っておられます)
「うまく行っている部分をまねする」
(私は、中学や高校の英語の授業ではうまく行っていました。単語の数が順調に増えました。その後、本屋にあった「英語学習法」の本をたくさん読みましたが、例えば、音読をいくらしても単語の数は増えませんでした。またBBCをいくら聞いても単語の数は増えませんでした。学校のような正しいやり方でやれば良かったのです)
「大事な一歩の台本を書く」
(野口先生は、『歩き始めれば目的地に着く』と言っておられます。最初の一歩を踏み出しさえすれば目的地に着くことができるということです)
「目的地を指し示す」
(正しい目的地であることが必要です。米国人の平均的な栄養摂取は、体に良い食品を推奨量の半分くらいしか摂取しておらず、体に悪い食品を制限量の2倍くらい摂取しています。そのような状況で、肥満対策として全体の食事量を減らすと、体に良い食品の摂取量がますます減ってしまうことになります。短期的に成功しても、長期的には失敗するでしょう。体に良い食品を増やし、体に悪い食品を減らす必要があります。つまり栄養バランスを良くすることが必要です。マイ・プレートのような説明が必要です)
「感情を芽生えさせる」
(オーストラリアで売られているタバコには、外箱の全体に病気の写真が表示されています。タバコを吸うとがんができるという単なる知識を伝達するのではなく、そのがんの写真を全面に表示しています。効果があるので、他の国にも広がっています)
「環境を変える」
(禁煙する際には、なるべく、毎日やっていること(ルーチン)を変える方が、よりうまく行きます。また、薬物依存のキャンプに参加すると環境が変わるので、成績は比較的良いのですが、キャンプが終了して元の環境に戻ると再発率が高くなります)
「習慣を生み出す」
(勝間さんは毎日Youtubeに投稿しておられます。野口教授も毎週週刊誌に原稿を書いておられます)
「仲間を集める」
(禁煙マラソンや断酒会は、仲間を集めています。極楽ネズミは、仲間に囲まれています)