(1)「ビタミンD欠乏症が増加中 子どもの日焼け対策に注意を」(朝日新聞、2018年8月6日)
https://www.asahi.com/articles/SDI201808037716.html
(日光を避けると、ビタミンD欠乏が増加するとのことです)

(2)「ここが知りたい! 高齢者診療のエビデンス」(週刊医学界新聞、2017年9月4日)
https://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03238_06
「魚や卵などに含まれるVit Dの摂取量よりも,皮膚での日光曝露による生成量の方がはるかに多い。(中略)。高齢者では日光曝露が減り,肝腎機能が低下することから,摂取量の持つ意味合いがより大きくなると考えられる」

(3)「米国の勧告ではビタミンD欠乏は解消されない」(Nature Reviews Endocrinology 2009年10月1日)(日本語の要旨)
https://www.natureasia.com/ja-jp/reviews/highlight/36937
「女性の乳がん患者に対して10μg/日のビタミンDを投与しても、多くの場合、血中25(OH)ビタミンD濃度の30ng/mlは達成できない」

(4)「ニュースの分析:ビタミンDについての健康上の主張 News analysis: Health claims about vitamin D examined」(英国国民健康サービスNHS)
https://www.nhs.uk/news/lifestyle-and-exercise/news-analysis-health-claims-about-vitamin-d-examined/
・たいていの人は、必要なビタミンDの大半を日光照射(紫外線B)から得ている
・紫外線Bは、ガラスを通過しないので、ビタミンDを得るには、屋外へ出る必要がある
・日光照射は少量・頻回がお勧めである
・4月~9月の毎日、昼に近い時間に日焼け止めを塗布して数分間屋外に出ると、充分な量のビタミンDが作られる(英国に住む英国人の場合)
・日焼けをする必要はない。過度の日光照射は皮膚がんのリスクを上昇させる
・食事だけで必要なビタミンDを摂取するのは困難である
・軽症と中等症のビタミンD欠乏症では、骨の痛み、骨粗鬆症、骨折を起こしうる
・重症のビタミンD欠乏症は、子どものくる病、大人の骨軟化症を起こしうる
・2007年の(英国の)調査では、大人の約50%の人が、いろいろな程度のビタミンD欠乏症になっていた
・(英国に住む英国人のうち)ビタミンDの定期的な補給が必要であるのは、全ての妊婦、生後5か月から5歳までの子ども、65歳以上の人、あまり日光に当たらない人である
・大人は、20μgまでは問題なく服用できる。25μgを超えないことを推奨する

(5)「大人のビタミンD欠乏症の治療 Treatment of Vitamin D Deficiency in Adults」(英国国民健康サービスNHS)
https://mm.wirral.nhs.uk/document_uploads/guidelines/Vitamin%20D%20Guidelines%20for%20Adults%20v2.pdf
・大人の20%は、ビタミンDが不足する状態にある
・大人でビタミンDの補給が必要なのは次の人々である
    ・妊婦‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥10μg/日
    ・日光にあまり当たらない人‥‥10μg/日
    ・65歳以上の人‥‥‥‥‥‥‥‥10μg/日
・25(OH)ビタミンDの血中濃度
    ・12.5ng/ml以下‥‥‥ビタミンD欠乏症
    ・12.5~20ng/ml‥‥‥ビタミンD不足症
    ・20~30ng/ml‥‥‥‥必要を満たしている状態
    ・30ng/ml以上‥‥‥‥理想的状態
(ビタミンDの欠乏症や不足症に対する(医者向けの)治療計画があります)
(腎不全のある人は、別の文書を参照するようにとのことです。別の文書には、次のように書かれています。「腎不全のある人がビタミンDの補充を行ってもビタミンD欠乏症の症状が残っている場合には、eGFRが30ml/分以下の人には、活性型ビタミンDを投与せよ」)

(6)「ビタミンD」(米国国民の栄養と食事に関する生化学的指標の報告、1999~2002年 National Report on Biochemical Indicators of Diet and Nutrition in the U.S. Population 1999-2002)(米国政府文書、CDCホームページ内)
https://www.cdc.gov/nutritionreport/pdf/nr_ch2b.pdf
・脊椎動物は、日光(紫外線B)からビタミンDを合成できる
・(米国の場合)食事からのビタミンD摂取の大半は、ビタミンDを強化した食品(牛乳、オレンジジュース、朝食シリアルなど)からによる
・皮膚あるいは食事からのビタミンDの半減期は1~2日ほどである
・ビタミンDのサプリメントを飲むことは、閉経後の女性や高齢の男性の骨に良い影響を与える
・現在の推奨
    ・0歳~50歳の人‥‥‥5μg/日
    ・51歳~70歳の人‥‥10μg/日
    ・71歳以上の人‥‥‥15μg/日

(7)「VDSCP:ビタミンD標準化明確化プログラム VDSCP: Vitamin D Standardization-Certification Program」(米国政府文書、CDCホームページ内)
https://www.cdc.gov/labstandards/vdscp.html
(ビタミンD欠乏症の診断を明確化するために、25(OH)ビタミンDの血中濃度測定を多くの人に対して行うというプログラムです)

(8)「ビタミンDが欠乏すると障害は多岐にわたる。ビタミンDとヒトの健康についての重要な話 D is for Debacle - The Crucial Story of Vitamin D and Human Health 」
https://www.youtube.com/watch?v=v3pK0dccQ38
・ビタミンDは、遺伝子全体の5~10%を活性化する
・ビタミンDのレセプターは、全ての細胞の核にある

(9)ビタミンDと上気道 Vitamin D & the Upper Respiratory Tract (南アリゾナ耳鼻科医会)
https://www.youtube.com/watch?v=fmDng_uMCnY&feature=share
・かつては結核の患者さんは屋外で日光浴を行なった
・インフルエンザが冬に流行するのは、日照の減少によるビタミンD欠乏症の悪化が原因だとする説がある
・「小学生にビタミンDのサプリメントを飲ませたところインフルエンザに罹る子どもが減った」という報告がある
・ビタミンDは、マクロファージを活性化させ、抗炎症性のサイトカインIL-2、IL-17を抑制する

(10)コロナウイルスは予防可能である。ビタミンDによる解決 CORONAVIRUS CAN BE PREVENTED - VITAMIN D SOLUTION (ある医師個人の投稿)
https://www.youtube.com/watch?v=VQkx06k7AKk&feature=youtu.be
・ビタミンDは、風邪やインフルエンザを減らす働きがある
・ビタミンDの欠乏症があると、コロナウイルス感染症に罹るリスクが増加する
・25(OH)ビタミンDの血中濃度が目標値の40~60ng/mlくらいある人はほとんどいない