(1)「健康的な食生活 Healthy diet」(世界保健機構 World Health Organization)
 
WHOは、砂糖を減らし、食塩を減らし、悪い脂肪を減らすことを勧めています。
具体的には次のようです。
・加えられた砂糖をエネルギーの10%以下にする。5%以下ならなお良い
・食塩を1日に5g以下にする
・総脂肪をエネルギーの30%以下にする
・飽和脂肪をエネルギーの10%以下にする
・トランス脂肪をエネルギーの1%以下にする
 
 
(2)「良い食事のガイド The Eatwell Guide」(英国政府)
英国政府も、米国と同じように、お皿(プレート)で食品の摂取割合を示しています。
英国政府も、砂糖を減らし、食塩を減らし、悪い脂肪を減らすように呼び掛けています。
 
(3)「毎日、バラエティーに富んだ健康的な食品を食べて下さい Eat a variety of healthy foods each day」(カナダ政府)
カナダ政府も、お皿(プレート)で示しています。
砂糖を減らし、食塩を減らし、悪い脂肪を減らすように呼び掛けています。
でんぷんを多く含む野菜は、カナダ政府の図では野菜に分類されていますが、イギリス政府の図では穀類に分類されています。分類が異なるだけで、内容は同じです。たんぱく質についても内容は同じです。
 
(4)「食事バランスガイド」(農林水産省、厚生労働省)
日本のガイドは、コマの絵です。
日本のガイドには、砂糖、食塩、悪い脂肪の制限は、見当たりません。
また、英国やカナダのガイドでは、全粒穀物を選択するように勧められていますが、日本のガイドにはそのような勧めは無く、白米が書かれているだけで、玄米は書かれていません。
英国のガイドには、「お菓子をなるべく減らせ」と書かれていますが、日本のガイドには「楽しく適量を(食べよ)」と書かれています。
日本のガイドには、トランス脂肪の制限が見当たりません。米国では昨年より禁止されています。
日本のガイドは、食品産業のプロモーション用かもしれません。
 
(5)(これは、当ブログ2019.9.7の記事です)
「栄養についての必須の行動:人の一生を通じて栄養を重視する Essential Nutrition Actions: mainstreaming nutrition throughout the life course」(WHO、2019年)
(P103‐P104)(BMIが18.5㎏/m2 以下のお年寄りに対して)
 
「WHOが推奨するのは、栄養不良のお年寄りに対して、栄養上のアドバイスを与えると共に、経口のサプリメントによる栄養を行うことである」
 
(しばしば、サプリメントの方が安くつきます。しかし、たんぱく質のサプリメントは、どうなるのでしょう)
 
(6)「an asset to」  asset(名詞):資産、役に立つもの
最近、NHKのラジオの英語講座にan asset to が出てきました。
「マリア」という歌にも、an asset to が出てきます。
 
(7)喘息の年齢別有病率
 
 
 0~4歳
 5~14歳
 15~34歳
 35~64歳
 65歳以上
 有病率(%)
  5.6
  14.9
  15.7
  13.1
  11.1
この表からも分かるように、高齢になると喘息の人は少しだけ少なくなりますが、極端には減りません。
 
私が勤務する老人施設には、喘息の発作を起こす人はほとんどいません。いるとすれば、入所後の間もない人です。入所後、せいぜい半年~1年くらいまでです。
 
ダニやホコリが少ない環境であることも影響しているかもしれません。しかし、私は次のように考えています。食事が健康的なものになって、栄養の過不足が無くなり、健全な腸内細菌が増え、慢性炎症が改善され、体内は「戦争中」から「平和時」になり、ダニやホコリ(外国からの航空機)にあまり反応しなくなったのです。
 
(8)「赤くて熱くてひりひりする Raw and Red-Hot」(炎症は、多くの慢性疾患の原因なのか Could inflammation be the cause of myriad chronic conditions?)(ハーバード・マガジン、2019年3月4月)
 
「運動は心臓病を減らす。運動が心臓病を減らす効果の3分の1は、運動が慢性炎症を抑えることから来ている。
抗炎症薬は、スタチンと同じくらいに心臓病を減らす。
慢性炎症は、多くの生活習慣病を引き起こす要因の一つである。
慢性炎症は、CRPを測定すると把握できる。
人々は、健康について自分が何をすべきであるかを既に知っている。しかし、その知識は行動の変容には結び付かない。ヒトの体は、エネルギーを過剰に蓄積し、脂肪、砂糖、食塩の多い食品を求めるように造られている」
 
(9)「子どもの頃の食習慣が一生続く」(中村俊輔さん)
子どもの頃に獲得した習慣が一生続きます。サッカーの中村俊輔さんは、子どもの頃の良い食事習慣が、今でも続いていると述べておられます。トップアスリートになるためには、子どもの頃からの正しい食事が必要です。
 
ところで片田敏孝先生は当初、釜石で大人向けの防災教育をしておられました。しかし、あまり効果はありませんでした。そこで、片田先生は、釜石の小・中学生を相手に防災教育をされました。その後、津波が襲来しましたが、釜石の小学生や中学生は、ほとんど助かりました。
 
(10)「健康習慣は小さい時に形成される。なかなか変えにくい Health Habits Develop Early and Are Hard to Change」(Psychology Today、2012年3月29日)
https://www.psychologytoday.com/us/blog/do-the-right-thing/201205/health-habits-develop-early-and-are-hard-change
「レストランにおける子ども用のメニューは、しばしば次のようなものです。ホットドック、ハンバーガー、ビザ、フライ、チーズ入りのハンバーガー、フライドチキン、ソーダ水。子どもたちは、このようなものを食べるようになります。そして、このようなものを望むようになります。この好みは、大きくなってもあまり変わりません。驚くことに、大学生協の中に、マクドナルドやピザハットのようなファストフード店しかないような大学があります」(著者は精神科の教授です)
 
(11)「習慣:いかに形成されるか。いかに打ち破るか Habits: How They Form And How To Break Them」(npr、2012年3月5日)(著者インタビュー)
「習慣的行動には、1.きっかけ(引き金)、2.自動運動(習慣化された行動)、3.報酬がある。1.3.を把握して対策を立てると行動の変容が容易になる」
「大人(老人)は、習慣的行動(惰性的行動)を多く行う」
「非日常なら行動の変容が起きやすい。(妊婦さんや子どものある人など)」
 
(著者は、New York Timesのライターをしておられます)
(行動の変容(新しい商品を買わせること)は、企業が非常に得意とすることです)