次のような文章を書きました。


がん

がんを持つ人は、未開の地には、わずかしかいません(Eirik)。それは他の生活習慣病と同じです。狩猟採集生活をしていた人々が、その生活を捨てて街へ出てくると、がんを持つ人は増加します。現代社会では、亡くなる人全体のうち4分の1から3分の1の人が癌で亡くなっています。現代はがんが蔓延しています。

未開の地には発がん物質はあまりありません。紫外線、腐敗、焦げなどです。現代は多くの発がん物質があります。紫外線、腐敗、焦げの他に、タバコ、アルコール、診断用放射線、ウィルスなどがあります。食塩や砂糖は、それ自身には発がん性はありませんが、多く摂取すると一部のがんが増えます。我々は、旧石器時代の環境の中で最もうまくいく体を持っています。現代には、発がん物質が多すぎます。

植物も、動物も同じDNAの遺伝システムを使っています。植物は常に紫外線にさらされますが、がんはほとんどありません。植物は、抗酸化物質を自分で作っています。動物は、植物を食べることにより抗酸化物質を取り込んでいます。

がんのかかりやすさは、調節されています。例えば紫外線の強さによりメラニンの量が調節されています。黒人や黄色人種や白人のような差があります。また同じ個人でも、日光に多く当たると、皮膚が日焼けして茶色になります。それは紫外線による皮膚がんを減らす意味があります。ヒトは、数千万年を超える進化の中で、少ないコストで、がんを減らす方向に適応してきました。

生物は、自分の遺伝子の包括適応度を高めようとします。つまり、自分の遺伝子を子孫に増やそうとします。自分の子孫を増やすには、生殖時期が重要です。繁殖の効率がわずかに上回れば競争相手に勝つことができます。老年期は、自分自身の生殖にはあまり重要ではありません。しかし全く重要でないわけでもありません。長老として若い人に大切な情報を伝達できるのであれば、子孫の繁栄に役立ちます。

前に申し上げたように、悪い食事は腸内細菌叢を乱して、我々の免疫細胞(特に見張りの細胞)は炎症を惹起させます。炎症は、スーパーオキサイドを増加させ、がんを増加させます。ウィルヒョウは、がん細胞が炎症性細胞と共にあるところを観察しました。

がん治療の高価な新薬を開発することも必要なことですが、がんを予防するために食事や環境を改善することも必要なことです。がんの発生を未開人と同じレベルにまで低下させることは可能です。依存症の治療、予防、教育が必要です。

文献
(1)「狩猟採集生活をする人々は、がんになるか Do Hunter-gatherers Get Cancer? 」 (2018.2.24、 Eirik氏 のブログ)
http://darwinian-medicine.com/do-hunter-gatherers-get-cancer/

(2)「狩猟採集生活をする人々(パラグアイのアチェ族)への研究による加齢理論の証拠 Evidence for Aging Theories from the Study of a Hunter-GathererPeople (Ache of Paraguay)」 (Libertini、Biochemistry (Mosc). 2013 Sep;78(9):1023-32)
http://protein.bio.msu.ru/biokhimiya/contents/v78/full/78091306.html