次のような文章を書きました。



(1)私は1年半前より、日本老年学会に入っています。送られてくる学会誌を読んでいます。また保険医協会の月刊保団連という雑誌を読んでいます。また阪神地区の医師会の勉強会に、月に1、2回程度出席して話を聞いています。過去に専門学校で診断学を教える機会がありましたが、それは現在に非常に役に立っています。1週間に1回、10時間ほどの準備をして授業を行いました。学ぶよりは教える方が身に付きます。今後は、私は当分の間、語学の勉強をしっかりやろうと思っています。

(2)厚生労働省の「栄養所要量」によれば、各病気ごとに、それぞれの所要量があるのではないとのことです。病気があっても、体が必要とする栄養量は、あくまで「栄養所要量」に示された量です。その上で、各病気ごとに、その病気の特殊事情を考慮すれば良いとのことです。

(3)リッチマン先生は、菜食主義の食事でEDが改善すると述べておられます。その詳しい仕組みは不明ですが、糖尿病が改善してEDが改善するのかもしれません。あるいは前立腺肥大症が改善するのかもしれません。

(4)私は約20年前より痔を持っていました。排便のたびにわずかですが出血がありました。それで、これまでに大腸カメラを7回受けています。今年の初めごろには、ほぼ毎日、0.5滴ほどの出血がありました。今年の2月より排便の姿勢を変えて、前傾姿勢にして、足を台に載せました。また同じ頃より、菜食主義の食事に変えました。この2つにより、先月より出血は全く無くなっています。内科的な保存的治療により、痔が改善したと考えています。この件は、同じグループ内の外科の先生にぜひ報告したいと考えています。「肛門疾患診療のガイドライン」(2014年版)の「痔核の保存的治療法」(p14)には、排便の姿勢については言及がありません。また食物繊維の摂取が勧められていますが、菜食主義の食事への言及はありません。

(5)人はなぜ地球上で生物の王者になることができたのかという問題があります。進化生物学からはいろいろな説があります。直立2足歩行によるという説もありますが、ペンギンやダチョウは直立2足歩行をします。言葉の使用によるという説もありますが、イルカはかなりの意思疎通を行います。またチンパンジーに言葉を教えると200位の数の言葉を使うことができます。道具の使用によるという説もあります。しかしチンパンジーは木の枝を使って虫をとることがあります。ダービンフィンチの多様なくちばしも1つの道具です。農業という説もあります。ハキリアリ(葉切り蟻)は、農業を行います。協力によるという説もあります。確かにヒトでは協力のレベルがチンパンジーより上です。しかし協力は進化によって生じた仕組みの1つであり、他の生物においても広く認められます。

私は、情報とその伝達が重要であると考えます。たった1つの情報が、非常に大きな意味を持つことがあります。シカなどの動物をとことん追い詰めると動けなくなって捕獲できるという事実がわかると、シカなどの動物を食べることができるようになります。ブルーオーシャンが出現します。投槍具により槍(やり)を強く投げることができるようになると、ネアンデルタール人との戦いに勝つことができました。

情報を伝えるには手間と暇が必要です。教えるのは大変です。ヒトでは一夫一婦制により、父親が男の子に狩りを教えることが進化的に有利になって可能になりました。手間と暇をかけても、割に合うようになったのです。また母親が女の子に採集の仕方を教えることは進化的に有利です。チンパンジーでは多夫多妻であるため、父親から見てどの子が自分の子どもが分かりません。ゴリラは一夫多妻であるため、父親から見てすべての子どもは自分の子どもですが、数が多いので一人一人に充分に関与する時間はありません。

情報の収集とその伝達に優れていると、競合する他の生物との戦いで優位に立てます。ダーウィンは、「近い生物とは激しく競争する」と述べています。われわれは、多くの戦いを抱えています。肉食獣との戦い、寄生虫との戦い、近隣の部族との戦いがあります。こうした生存競争の中で、情報の収集とその伝達は、極めて大きな意味を持ちます。

それは現代でも同じです。道具を作る企業よりも、情報伝達を行う企業の方が、人間の進歩に大きな意味を持つことが可能です。