次のような文書を読みました。
(1)「食事を交換する実験により、ジャンク・フードが内臓に悪いことが判明した Diet swap experiment reveals junk food's harm to gut」(BBC)
http://www.bbc.com/news/health-32494846
「(要旨)アメリカ合衆国のボランティア20人とアフリカの田舎のボランティア20人が食べものを交換する実験を行った。西洋化された食事から、アフリカの繊維の多い、脂肪の少ない食事への変更した人では、2週間後には、大腸がんのリスクの生物指標が改善した」
(2)「ファスト・フードは我々をうつ病にするか? Is fast food making us depressed?」(BBC)
http://www.bbc.com/future/story/20140826-is-fast-food-making-us-depressed
「うつ病のある人では、免疫システムは過剰に働いているように見える。血液中には、病気やけがの時に炎症を引き起こすサイトカインと呼ばれる蛋白質が充満している」
「うつ病が炎症を引き起こすというだけでなく、他の原因で生じた炎症がうつ病を引き起こす」
「健康的な生活をしていない人、タバコを吸う人、アルコール中毒の人は、炎症反応が増強している」
(3)「酸化ストレスと抗酸化防御 Oxidative Stress and Antioxidant Defense」(要旨のみ)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3488923/
「酵素的あるいは非酵素的な抗酸化物質は、通常は、活性酸素種の有害な作用をブロックする。しかし病的な状況では、抗酸化システムが働かないことがある」
(4)「活性酸素種 Reactive oxygen species」(Wikipedia英語版)
https://en.wikipedia.org/wiki/Reactive_oxygen_species
「活性酸素種は、生物の体内では、酸素の代謝の自然な副産物として発生し、細胞の信号伝達や細胞の代謝において重要な役割を果たしている。しかし、紫外線や高温などの環境的なストレスがかかるときには、活性酸素種の水準は劇的に増加して、細胞の構造に相当の打撃を与える場合がある。これは、酸化ストレスとして知られている」
「傷の修復を行って血液の恒常性を維持しようとする血小板は、活性酸素種を放出することにより、その傷の場所に他の血小板を集結させる」
「植物が病原体に攻撃されていることに気が付くと、最初に行う反応は、活性酸素種のスーパー・オキサイドまたはハイドロジェン・オキサイドをすばやく産生し、細胞壁を強化することである。こうして、病原体が植物のほかの部位に広がることを予防している」
「活性酸素種は、脂肪、DNA,RNA、蛋白質に障害を与えることがあり、これは理論上は、老化を引き起こす原因となる」
(5)「炎症と戦う簡単な方法 Simple tips to fight inflammation」(Harvard Medical School)
https://www.health.harvard.edu/diseases-and-conditions/simple-tips-to-fight-inflammation
(要旨)
・野菜や果物‥‥抗酸化物質やポリフェノールを多く含む
・ナッツや種‥‥ナッツや種を食べると炎症の指標が改善する
・コーヒー、ココア、緑茶‥‥抗酸化物質やポリフェノールを多く含む
・野菜や果物‥‥抗酸化物質やポリフェノールを多く含む
・ナッツや種‥‥ナッツや種を食べると炎症の指標が改善する
・コーヒー、ココア、緑茶‥‥抗酸化物質やポリフェノールを多く含む
(6)「炎症を引き起こす食物は、大腸がんのリスクを高める Inflammatory diet linked with increased colorectal cancer risk」(Harvard School of Public Health)
https://www.hsph.harvard.edu/news/hsph-in-the-news/inflammatory-diet-colorectal-cancer-risk/
「加工肉や赤身の肉や砂糖を加えられた飲料や精製穀物は、炎症を引き起こす性質があるが、それはヒトの大腸がんを増やす原因であるらしい」
「活性酸素種は、有用である。免疫システムは、病原体を攻撃して殺すために活性酸素種を使用する」
(8)「ミトコンドリア」(Wikipedia日本語版)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%82%A2
「ミトコンドリアは、好気性細菌でリケッチアに近いαプロテオ・バクテリアが真核細胞に共生することによって獲得されたと考えられている」
(9)「長期にプロトン・ポンプ・インヒビターPPIで治療することは、カルシウム、ビタミンB12、鉄、マグネシウムの吸収に影響を及ぼし、骨折に結びつく Association of Long-term Proton Pump Inhibitor Therapy with Bone Fractures and effects on Absorption of Calcium, Vitamin B12, Iron, and Magnesium」
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2974811/
「長期にわたってPPIで治療を行うと、骨折の発生の増加を招く」
(10)「緑のコーヒー豆や炒ったコーヒー豆におけるクロロゲン酸やメラノイジンの濃度 Concentrations of chlorogenic acids and melanoidins in green and roasted coffee beans」
https://www.researchgate.net/figure/Concentrations-of-chlorogenic-acids-and-melanoidins-in-green-and-roasted-coffee-beans_fig1_225060696
(図より)
「コーヒー豆は、クロロゲン酸やメラノイジンを含んでおり、それは大腸に到達する」
「コーヒー豆は、クロロゲン酸やメラノイジンを含んでおり、それは大腸に到達する」
(確かに、コーヒー豆には、抗酸化物質やポリフェノールが含まれるのでしょうが、このように、メイラード反応による糖化反応物質も含まれます。わざわざ、依存性薬物のカフェインを含んだ、最終糖化産物を意味する茶色の飲料を飲むのではなく、自然な野菜や果物を摂取すれば良いのではないでしょうか。私は、コーヒーを極力飲んでいません)
(この本は、進化生物学の基本的な概念を説明しています。例えば「親と子の対立」の項には次のような文があります)
「母親はアカンボウが要求するより少ない投資をするように進化し、子どもは母親が与えようとする以上の投資を要求するよう進化する」(p299)
「フリー・ラジカルに遭遇すると、ビタミンC分子は酸化され、それによってフリー・ラジカルを無害なものにする。酸化されたビタミンCは、ビタミンC還元酵素という酵素によって元の状態に戻される」(p255)
「ビタミンCがフリー・ラジカルの作用を激化させることで腫瘍の殺傷を助けうる」(p279)
「運動選手はカウチポテト族に比べ、一生で消費する酸素が多いのに、速く老化することはない(運動のパラドックス)」(p409)
「老化と、加齢にともなう病気は、ミトコンドリアからのフリー・ラジカルの漏出が原因と考えられる」(p428)
「ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化物質を投与しても、寿命の延長や疾患の予防が達成できたという実験データは得られていない」(p470)