(1)「摂食障害」(厚生労働省)を読みました。
「摂食障害全体は1980年からの20年間に約10倍の増加がみられ(た)」
「(1950年代に行われた健康で若い志願兵に対する半飢餓研究では)半年で体重を平均25%減少させる程度の食事制限によってもたらされる飢餓、あるいはその後の復食期の観察で、健康人においても飢餓によって抑うつ、不安、過敏症、易怒性、あるいは精神病的症状が出現し、自己評価の低下や強迫性の増強など、一般に摂食障害患者に特異的とされた心理的変動が認められた」
「(治療として)3食を規則的な時間に摂取させ、少量から徐々に段階的に増量させていく方法が基本とな(る)」
(2)「摂食障害への行動についての世界憲章 Worldwide Charter for Action on Eating Disorder」(The Academy For Eating Disorder)を読みました。
・摂食障害を持つ人は、健康のプロとコミュニケーションを行い、協力して対処する権利を持つ
・摂食障害を持つ人は、包括的な評価を受け、治療計画策定に参加する権利を持つ
・摂食障害を持つ人は、利用しやすく、質が高く、充分に資金援助された、専門的なケアを受ける権利を持つ
・摂食障害を持つ人は、敬意があり、十分に情報提供されて、年齢相応で、安全な水準のケアを受ける権利を持つ
・ケアをする人は、治療資源として、情報提供され、尊重され、尊敬される権利を持つ
・ケアをする人は、利用しやすく適切なサポートや教育資源を得る権利を持つ
(3)「食思不振症 Anorexia」(Oxford Academic)を読みました。
「感染症の際に食欲低下が起きるのは、生存のために適応的であるのか、あるいは炎症の2次的な副作用であるのかは、議論があるところである。なぜなら、感染症の際には、強い免疫反応を行うための栄養上の必要性により、食物摂取の増量が期待されるからである。(中略)。最近の2つの無作為抽出試験では、摂取カロリーを減らした方が、生存率が高く合併症が少ないことが示された。動物実験においても、リステリアに感染したマウスは、以前と同じ量を食べるように強制されると、より高い死亡率を示した」
(4)「進化と神経性食思不振症Evolution and Anorexia Nervosa」(Psychology Today)を読みました。
「神経性食思不振症は、50年前までは、極めてまれな疾患であった」
「(食思不振症では)主要な生化学的経路の一つであるIGF-1/FOXO反応(インスリン成長因子1経路)が活性化される。これは、飢餓経路の反応が低下した際に神経性食思不振症が出現しうることを意味する。これは、インスリン欠乏状態(インスリン抵抗性によるもの)が2型糖尿病の要因になることと似ている」
(5)「食思不振症に対する進化論的な説明? An evolutionary explanation for anorexia?」(American Psychological Association)を読みました。
「飢餓状態になったときでも、神経性食思不振症になりやすい遺伝子を持った人は、満腹感を感じ、エネルギーに満ちて、飢餓をものともしない」
「現代人の先祖にあたる遊牧民では、空腹をものともしない人は、リーダーとなって食物が十分にある地へ集団を率いて移動したのであろう」
(6)「摂食障害に関する進化心理学:つがい形成や地位獲得のための女性の争い? The evolutionary psychology of eating disorders: Female competition for mates or for status?」を読みました。
「神経性食思不振症についてある説は、これは生殖を抑圧する適応的な行動であると主張している。この説は、他の多くの種では環境の状況が好ましくないときには生殖を抑圧したり遅らせたりすることが可能であるという観察に基づいている」
(7)「摂食障害に対する進化的説明Evolutionary Explanation of Eating Disorders」を読みました。
・生殖抑圧仮説‥‥(環境の悪化により、生殖活動をしばらく延期する)
・血縁淘汰理論‥‥(身内の生殖を助けるために、自分の生殖活動をしばらく延期する)
・親による操作モデル‥‥(支配的で過保護な母親に対して、娘が反抗して拒食する)
・性的競争仮説‥‥(やせることにより、自分が女性として卓越していることを示す)
・女性性逃避仮説‥‥(女性であることから逃れるために食事を拒否する)
・力を持つ社会的注目‥‥(やせることにより、周囲から注目されて利益を得る)
(8)「(特集)摂食障害」(日本医師会雑誌、146巻8号、2017年)を読みました。
「神経性食思不振症では栄養状態が改善すると、抑うつ、不安といった陰性感情が劇的に改善する」(p1544)
「摂食障害の過食―嘔吐タイプはアディクション(嗜癖)の病理を持っており、アディクションの代表であるアルコール依存と親和性がある」(p1566)
(9)「神経性食思不振症 Anorexia nervosa」(Wikipedia英語版)を読みました。
「神経性食思不振症にセロトニンがある働きをしていることは、生理学的、薬理学的、神経画像的な研究による証拠によって示されている」
(10)「神経性食思不振症 Anorexia Nervosa」(BBCの動画)を見ました。
この動画に、神経性食思不振症の人が2人登場しましたが、一人はシリアルを食べ、もう一人はダイエットコーラを飲んでいるとのことでした。私は、いずれもお勧めしません。自然食品がお勧めです。
(11)「国内初の便秘症ガイドラインを読む」(日経メディカル、2018年1月)を読みました。
「ヒトは座った姿勢になると恥骨直腸筋が引っ張られ、肛門も閉まっていて便を通さないハードルとなっている。(中略)。便器に座った際に前かがみになって、ロダンの彫刻「考える人」のようなポーズを取ると排便しやすい」(p14)
(12)「環境考古学への招待」(松井、2005年、岩波新書)を読みました。
「(南太平洋フィジー諸島の現地の人は、トイレの時には)朝早くか、暗くなってから谷川へ降りていって用を足す」(p57)
(13)若い男性の危険行動の例
「理由なき反抗」
「バック・トゥ・ザ・フューチャー3」
「スター・トレック」(2009年)