次の文書を読みました。
(1)「病気はなぜ、あるのか」(ネシー、長谷川訳、2001年)を再度読みました。
「マシュマロやチョコレートエクレアは、動物行動学者が『超正常刺激』と呼ぶものを表している」(p224)
「脂肪、砂糖、塩は、私たちの進化の歴史のほとんどすべてを通して、常に不足していた」(p224)
「もしも砂糖の信号が偽りであったならば、血糖値がすぐに足りなくなり、空腹感がもたらされて、キャンディのようにすばやく血糖値を上げるような食物を欲しがることになるだろう。人工甘味料にそのような効果があることは、ほとんど気づかれていない」(p227)
(2)「病の起源2」(読字障害/糖尿病/アレルギー、2009年)を再度読みました。
「いくら食べても止められないのは、その行動を制御する能力を失っているから(である)」(p58)
「誰かが目の前に食欲をそそる食べ物を持ってきたら、1時間前に食事をすませていても、十分魅力的であるなら食べ(る)」(p59)
「糖尿病との闘いによって、インスリンを大量に出す能力を持ったヨーロッパ人の場合、余分な糖は速やかに脂肪細胞に蓄えられるため、肥満になってゆく」(p70)
「(日本では)高炭水化物で低脂肪の食事が、数千年間続いてきたので(ある)」(p71)
「日本人では、むしろ炭水化物をたくさん摂っているような人は糖尿病になりにくく、逆に脂肪、特に獣肉由来の脂肪を食べてる人が糖尿病になりやすい」(p73)
「正の誘因仮説がある。これはエネルギーの不足を感知して食べるのではなく、食事の快楽を予想することによって摂食するとする仮説である。(中略)。ラットに味付けをしたカフェテリア食を与えると多く食べる」(p177)
「食塩を多く摂ることは、骨粗鬆症の主要な原因の一つである」(p181)
「食塩の摂取は、気管支喘息の原因ではないとしても、細気管支の反応性を強めて、喘息発作を悪化させる」(p189)
「1994年に(英国の)保守政権は、この報告書の全文を公開した。最初は、この報告書は政府によって支持され、英国における塩分摂取を減らすために、段階的な行動プランが描かれた。その結果、いくつかの有名な食物加工業者は、保守党への献金を停止した」(p212)
「食塩産業や食品産業や政治的勢力は結託して、経済的利益を求めて、食塩摂取と高血圧の関係を否定したり、あいまいにしたりしている。英国内や米国内にある大衆対策の会社は、安心させるような名前が付いているが、研究者らに資金提供し、すべての論点はまだ論争中でありさらに証拠が必要であるかのような印象を与える宣伝を行っている。また彼らは、食塩を減らすと害が生じるとする研究に資金提供している。(中略)。現在の我々の食塩摂取は、重篤な病気や早すぎる死に結び付いているという強力な証拠があるが、我々の食塩摂取の80%は加工食品に由来するものであり、食品産業によって添加されたものである。食塩産業や食品産業やその支持者は、加工食品に添加された不必要に多い食塩を正当化する試みを続けているが、彼らは、脳卒中や心筋梗塞などの予防可能な死亡に対して、責任がある」(p215)
(5)「我々の旧石器時代のゲノムとは合致しない栄養や生活様式によって生じる心血管疾患 Cardiovascular Disease Resulting From a Diet and Lifestyle at Odds With Our Paleolithic Genome: How to Become a 21st- Century Hunter-Gatherer」
http://www.mayoclinicproceedings.org/article/S0025-6196(11)63262-X/fulltext
「500世代前までは、全ての人類は、狩猟や採集によって周囲の環境から得た野生の非加工食品だけを食べていた。こうした環境が提供するのは、低脂肪の蛋白質、多価不飽和脂肪酸(特にω-3)、一価不飽和脂肪酸、食物繊維、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質、他の有益なファイトケミカルの多い食事である。歴史的研究や人類学的研究によれば、狩猟採集生活をする人々は、全般的に健康であり、現代社会に多い退行的な心血管疾患にかかることはほとんど無い」
(6)「糖尿病と肥満‥‥進化の観点から Diadetes and Obesity‥‥An Evolutionary Perspective」
https://www.researchgate.net/profile/Sylvia_Kirchengast/publication/312555040_Diabetes_and_Obesity-An_Evolutionary_Perspective/links/59060c30a6fdccd580d37b67/Diabetes-and-Obesity-An-Evolutionary-Perspective.pdf
「オーストラリアで伝統的な狩猟採集生活をするアボリジニ族の人々には、非伝染性の疾患はほとんど存在していない。アボリジニ族のうちでも西洋化した人々の間では、肥満や2型糖尿病が蔓延しており、ヨーロッパ出身のオーストラリア人よりも、ずっと頻度が高い」