「論争が利益になる事は滅多になく、それは時間と気分をみじめに浪費させるものだ」(p157)
「『私はできるだけ一所懸命に、できるだけよくやったのだ。誰もこれ以上にはできない』と独り言をいうのが最大のなぐさめだった」(p157)
「(科学者としての私の成功をもたらした気質や条件のうち)最も重要なものは‥‥科学への愛‥‥どんな問題でもながく考え抜く無制限の辛抱強さ‥‥観察や事実の収集における勤勉さ‥‥そして草案力と常識を共に付与されていたことであった」(p179)
「(ヒトでは)道具やものごとのこなし方を誰かが発明すれば、まわりがそれを速やかに学習する」(p2)
「生存能力を持った生命体はすべて、利己的な性質を持たざるを得ません。自分自身の生存と健康・安全に関心を払わなくてはならず、さもなければ、子孫を多く残せない。人の協力性や援助性は、言うなれば、この自己中心的な基盤の上に成り立っているのです」(p12)
「ヒトは、進化的には、相互に期待すべき行動の基準を生み出し、個体発生的には、子どもたちがこの基準を内面化します。誰もが‥‥コストのかかる(利他的な)罰を持ってしてさえも‥‥これらの基準を押し付けようとします」(p87)
(3)「ヒトにおける利他的な罰 Altruistic punishment in humans」を読みました。
https://pdfs.semanticscholar.org/4678/418e772f7be61422cf12e2724a78e6614c2f.pdf
「ヒトが広範に協力することは、進化上の謎である」
「ヒトが協力する理由として、利他的な罰の存在が重要である」
(4)「協力の進化のための5つのルール Five rules for the evolution of cooperation」を読みました。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3279745/
「ゲノムや細胞や多細胞有機体や社会性昆虫や人間社会は、全て協力に基づいている」
「自然淘汰は競争に基づいているので、特別なメカニズムが作用しているのでなければ、協力を行うことはない」
「協力のための5つのメカニズムとは、血縁淘汰、直接的相互利益、間接的相互利益、網目状の相互利益、グループ淘汰である」
(5)「進化医学の観点から見た身体的不活発さ Physical Inactivity from the Viewpoint of Evolutionary Medicine」を読みました。
http://www.mdpi.com/2075-4663/2/2/34/htm
「身体的活発さは、インスリン抵抗性のリスクを減らす」
「長期的なトレーニングは、骨格筋のインスリン感受性を増し、血漿インスリン濃度を減らす」
(6)「栄養の進化The Evolution of Diet」を読みました。
https://www.nationalgeographic.com/foodfeatures/evolution-of-diet/
「チマネ族や北極イヌイットやハッザ族などに対する研究によれば、こうした人々は伝統的に、高血圧や動脈硬化症や心血管疾患にはあまりかからなかった」
「中央アメリカのマヤでは、1950年代に砂糖の多い西洋食に切り替わって糖尿病が激増するまでは、糖尿病は存在するとは知られていなかった」
(7)「進化の観点から見た心血管疾患や2型糖尿病:腸内寄生虫の重要な役割 Cardiovascular disease and type 2 diabetes in evolutionary perspective: A critical role for helminths」を読みました。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5101910/
「心臓病や2型糖尿病は、現代の狩猟採集生活をする人々にはまれであり、類推して有史以前の人々にもまれであったと、多くに人は考えている」
「栄養が悪化し、身体的活動が減り、その他の行動(例えば、喫煙、飲酒)が増え、精神的なストレスが増えると、ミスマッチ説から予測されるように、そうした未開の人々の健康は悪化する」
(8)「糖尿病から走者の足障害まで、我々の体は現代生活には適応していない From Diabetes to Athlete's foot, Our Bodies Are Maladapted for Modern Life」を読みました。
http://discovermagazine.com/2015/may/16-days-of-dysevolution
「生物学的進化よりも文化的進化の方がずっと速く進むので、自然淘汰には、ミスマッチを修正する時間が無い」
「インスリン抵抗性は、糖尿病の前触れであるが、狩猟採集生活者の中には、それは存在しないか、存在してもまれである」
「(都会生活から狩猟採集生活に戻った)アボリニの人々は、狩猟採集生活によって体重が減っただけでなく、血糖値が劇的に下がり、糖尿病の他の検査値も改善した」
(9)「ヒトの栄養の進化 CARTA: The Evolution of Human Nutrition」を見ました。
https://www.youtube.com/watch?v=Cuyp1bvuaxA