次のような文書を読みました。


(1)「モラルの起源」(ボーム、斉藤訳、2014年)

「(伝統的な狩猟採集民の)集団には必ず、血縁関係にある家族とそうでない家族が混在する」(p16)

「人間の社会的な好みが遺伝的な結果に影響するプロセスは、いくつか考えられる。ひとつは、個人が評判の良い他者を結婚相手や協力相手に選び、その結果、自分の適応度が高められるというもの。もうひとつは、グループ全体が社会から逸脱した嫌われ者を厳しく罰することで、そうした者の適応度が下がるというものだ」(p22)

「利他性の高いグループのほうが、同情や寛大さを示さず、協力的でもないグループよりも、子孫が生き延びやすくなると考えられる」(p76)


(2)「新版・図説 種の起源」(ダーウィン、リーキー、吉岡訳、1997年)

「優秀な育種家のなかには、自分一代で、ウシやヒツジの品種を大幅に改良した者が何人もいる」(p32)

「個体差がことのほか重要な意味をもつのは、それがしばしば遺伝するからだ」(p39)

「競争は一般に、習性や構造の面で最も近い関係にあるものどうしの間で最も過酷におこなわれる」(p78)

「個体数の多い種の方が希少種よりも、自然選択に有利な変種を生じる機会が多い」(p101)


(3)「性選択と利他行動」(クローニン、長谷川訳、1994年)

「(血縁の識別は)『自分と同じ巣で育てられた個体を助けよ』とか、『自分と同じ匂いのする個体を助けよ』とか、(一箇所に定住する傾向のある種では)『自分の隣人を助けよ』などのように本当に単純なものでもあり得ます」(p353)

「有性生殖する生物は無性生殖する生物よりも速い速度で進化してきた」(p401)


(4)「人間の由来(上)」(ダーウイン、長谷川訳、講談社学術文庫)

「自分の仲間を裏切るよりは自らの命を犠牲にするような人間は、その高貴な性質を受け継ぐ子孫を全く残さないことがしばしばある」(p210)

「独身である事は、どんな好ましくない職業よりも、どんな衛生上の改善の試みも出されたことのないような最も好ましくない住居や地域に住むことよりも、人生にとって破壊的である」(p223)

「結婚すること自体が長生きの主たる原因だ」(p224)


(5)「協力行動の進化と利他行動のパラドックス The Evolution of Cooperation and the Paradox of Altruism」 (オレゴン大学 Warren Holmes教授)
https://www.youtube.com/watch?v=CYH0k7Nkons

「利己的な遺伝子は、その乗り物による協力的な行動から利益を得るであろう」 (1時間7分すぎ)