(1)「ヒューマン」(NHKスペシャル取材班、2012年)の第一章「協力する人・アフリカからの旅立ち」を再度読みました。

「気前がいいこと、希望を持つこと、寛容であること。この戦略が協力を生み出す」(p96)

「分かち合い協力することを学んだ者たちが生き残(る)」(p114)

(2)「協力と罰の生物学」(大槻、2014年)を読みました。
(この本では、協力に関する基礎的な事実が、簡潔に分かりやすく説明されています)

1章 仲良きことは美しきかな ‥‥自然界にあふれる協力のすがた
2章 ダーウィンの困惑‥‥なぜ「ずるいやつら」ははびこらないか

(3)「進化心理学から見た人の社会性(共感)」(長谷川眞理子、2016年)を読みました。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ninchishinkeikagaku/18/3%2B4/18_108/_pdf

「ヒトの心理や行動生成の仕組みも、ヒトの形態や生理学的形質と同様に進化の産物である」

「ヒトには、他者の情動に同調して同じ感情を持ってしまう情動的共感と、他者の状態を理解しつつも、自己と他者と分離した上で、他者に共感する認知的共感の2つを備えている」

「ヒトは必ずしも自己利益の最大化を追求しておらず、公正感が非常に重要な動因となっている」

(4)「利他・協力のメカニズムと社会の進化」(山本、2011年)を読みました。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/psj/27/2/27_27.013/_pdf

「チンパンジーの利他行動
①自発的にはなかなか助けないが、他者からの明示的な要求には応じる。
②他者の欲求は、他者の置かれた状況を見て理解できる」

(5)「行動生態学」(デイビスら、野間口ら訳、2015年)の第11章「社会行動:利他行動から意地悪行動まで」と第12章「協力行動」を読みました。
(この本は、行動生態学の入門的な教科書です。重要な語については、元の英語が示されています)

「協力行動に対する4つの仮説
血縁淘汰:同じ遺伝子のコピーを共有する個体を助ける
副産物の利益:利己行動の副産物として協力効果が発生する
互恵的行動:相手が助け返してくれるだろうから、その個体を助ける
強制:協力行動に褒美を与え、かつ(または)ただ乗りには罰を与える」

(6)「生まれながらの協力上手」(別冊日経サイエンス、スティックス、2017年)を読みました。
http://www.nikkei-science.com/page/sci_book/bessatu/51219.html

「他者と意思疎通し、他者から学び、他者の知覚とのぞみを推し量る能力を調べたテストで、人間の幼児はチンパンジーとオランウータンの双方を打ち負かした」

(7)「理想を現実にする力」(佐藤天彦名人、朝日新書、2017年)を読みました。
この本の内容は、ポジティブ心理学と合致します。次のような小見出しがあります。

・必要以上に自分を責めなくていい
・マイナスの感情には論理的思考で対抗
・自分にも他人にも公平な視点を心がける
・幸せ装置をたくさん用意する