以下のような本を読みました。なお、入力は、Cromeのドキュメントの音声入力で行いました。2000円くらいのマイクロフォンを買いました。経済学の野口教授は、原稿書きを全て音声入力で行っておられるそうです。


(1)「なぜうつ病の人が増えたのか」(冨高、2009)

「東アジアでは魚をよく食べる。それがうつ病を予防するという説もある」(p148)

「一般向けのうつ病啓蒙書には『抗うつ薬を飲むと、6週間で約6割の人は改善します』といった説明が書かれている。(中略)。しかし、抗うつ薬を飲まずプラセボ(偽薬)を飲んだ人でも6週間で5割の人は改善する」(p174)

「英国の場合、軽症うつ病に対して、抗うつ薬以外の治療法を勧めている。具体的には、自分でできるうつ病回復プログラム、軽い睡眠薬や軽いエクササイズやカウンセリング、休息を勧めている」(p183)


(2)「病原体進化論」(イーワルド、池本訳、2002年)

「アスピリンで熱が下がったら、痛み、炎症反応、そのほか寄生者に対して動物自身を防御する助けとなり得るプロセスも同様に減退する」(p23)

「最も効率の良い寄生者は‥‥もちろん宿主から栄養分をとるが、決して宿主の活力を枯渇させることではなく、宿主と協調的に共存するものである‥‥」(p300)

「もし寄生者が、次の宿主に乗り移るのに蚊などの媒介動物を利用できるなら、例え宿主を殺すことになろうとも、寄生者はどんどん増殖して病気を重くするに違いない。一方、媒介動物を利用できない寄生者は、現在寄生している宿主には活発に動いてもらわないと新しい宿主にたどり着けないから、温和な性質を持つことが有利にはたらく」(p343)


(3)「わたしたちの体は寄生虫を欲している」(ダン、野中訳、2013年)

「農耕生活へ移行するにつれ‥‥すなわち、多くの種に依存する生活から、わずかな種に依存する生活に移行するにつれて‥‥人間の寿命は長くなるどころか短くなった。(中略)。また発掘された人骨の状態は、農耕生活への移行によって健康状態が悪くなったことを示唆している」(p139)

「現代の、恐怖と攻撃性という文脈における副腎システムの反応の大半は、もはや状況に合わないものになっている」(p184)

「味蕾が脳に味を感じさせるのは、食べ物の取捨選択を誘発するためなのだ」(p207)

「人類という集団が高血圧で死にかかっているかもしれないのに、味蕾はまだ『塩は体によい』と主張するのだ」(p214)