(1)「ヒトの心はどう進化したのか」(鈴木、2013年、ちくま新書)を読みました。

著者は腰痛で半年ほど安静にしたが改善しませんでした。しかし、狩猟採集生活者は走り回りますが腰痛の人はほとんど見られないので、著者も痛みの少ない時に長時間歩いたり走ったりするようにしたところ、腰痛はウソのように消えたとのことです(p27)。

(慢性腰痛のうち、特異的腰痛は15%ほどで、非特異的腰痛が85%を占めます[厚生労働省]。この非特異的腰痛に対して安静を勧めるガイドラインは見当たりません。体を動かすこと[運動]が勧められています)


(2)「野蛮な進化心理学」(ケンリック、山形訳、2014年)を読みました。

「進化心理学には血族選択と互恵的利他行動という二つの根本原理がある(前者はなぜ私たちが家族の面倒を見たがるかを説明したもので、後者はなぜ人が友人や同僚のために苦労したがるかを解明したもの)。それ以外にも性淘汰と親の差別的投資という重要な原理があ(る)」(p283)


(3)「生命の跳躍」(レーン、斎藤訳、2010年)の第10章「死」を読みました。

「特殊化(分化)とは、まさに本質的に、体内の一部の細胞だけが生殖細胞になれるという意味なのである。残りの細胞はそれを支える役割を果たさなければならず、その唯一のメリットは、共通の遺伝子が生殖細胞を伝って次世代へ渡っていくという代償性の利益なのだ」(p398)

「生殖と長寿がトレードオフの関係にある」(p409)

「ハトは寿命が35年ほどで、ラットにくらべてなんと10倍も長生きなのだ。(中略)。鳥類は酸素消費の点で同等の哺乳類にくらべ、ほぼ10分の1のフリーラジカルしか漏出しない」(p418)


(4)「オスの戦略、メスの戦略」(長谷川、1999年、NHKライブラリー)を再度読みました。

「(性の利点についての学説は)大きく分けると、さまざまな変異を生み出すことに重点を置く説と、有害な突然変異を除去することに重点を置く説とに分けられます」(p50)

「人類(は)長い間にわたって、男性が女性の繁殖力を目安に配偶者選びをし、女性は男性の社会的な地位を目安に配偶者選びをしてきた」(p222)