(1)「狩猟採集者の食事:野生の食品は栄養過剰病を引き起こさない Hunter-gatherer diets: wild foods signal relief from diseases of affluence」(2002年 Milton、Human Diet: Its Origins and Evolution、Peter Ungarら、p111-122)を読みました。
http://nature.berkeley.edu/miltonlab/pdfs/humandiet.pdf
http://nature.berkeley.edu/miltonlab/pdfs/humandiet.pdf
「我々の体は、旧石器時代の食事法に適応しているので、その食事法を実践すれば、多くの栄養過剰病(冠動脈疾患、高血圧、動脈硬化症、2型糖尿病、いろいろながん、肥満、摂食障害など)を予防できるかもしれない」
「ウガンダのチンパンジーが食べた野生の果物は、乾燥重量で10.7±5.4%の粗タンパクを含んでいた。米国のスーパーマーケットで売られている果物は、乾燥重量で5.2±2.6%の粗タンパクを含んでいた」
「野生の動物の脂肪は、飽和脂肪よりも、長鎖不飽和脂肪が比較的多い」
「我々は、栄養過剰病から逃れるために、狩猟採集生活を送る必要はない。(中略)。栄養過剰病の無い社会の食べ物は、野生の動物と野生の植物、あるいは野生の動物と野生の植物で補った単一栽培のでんぷん植物である」
(2)「あなたが砂糖を欲しがる理由、その1、その2、その3、The Reason You Crave for Sugar Part1、Part2、Part3」(Eirik、2014年)を読みました。
(このサイトは個人のサイトです。危険なものを含んでいるかもしれないので、リンクを示しません)
「我々の先祖が進化した環境では、強い甘さは、エネルギーが高濃度であることを意味した。また苦さは、毒性を意味した」
「狩猟採集生活をしていた我々の先祖は、甘い物を欲しがって、苦い物を避けた方が生存のチャンスが大きかったのである」
「大型のサルも、狩猟採集生活をするヒトも、ハチの巣(ハチミツ)を食べる」
(3)「単糖類と蛋白質との反応:進化的な意味についてReaction of monosaccharides with proteins: possible evolutionary significance」(Science、1981年)の要旨を読みました。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12192669
「糖化反応では、糖と蛋白質が非酵素的に反応して有害な物質が産生される。単糖類では、開環構造より環構造の方が糖化反応を起こしにくい。15の単糖類を調べたところ、ブドウ糖は、環構造が非常に安定であり、糖化反応を起こしにくい。それでブドウ糖は、一次的エネルギー蓄積物質として使われている」
(4)「果糖:メタボリック症候群や高血圧を引き起こすカギとなる物質Fructose: A Key Factor in the Development of Metabolic Syndrome and Hypertension」(Journal of Nutrition and Metabolism、Volume 2013 (2013))を読みました。
https://www.hindawi.com/journals/jnme/2013/682673/
「加えられた糖の形で果糖を摂取することは、高血圧の独立した要因となる」
「米国の高血圧の有病率は、1919年には人口の6%であったが、2004年には31%にまで増えた」(図6(a)より)
「果糖を多く消費すると、インスリン抵抗性がもたらされる」
(インスリンが効かなくなります)
(5)「西洋料理の起源と進化:21世紀における健康のためにOrigins and evolution of the Western Diet: health implications for the 21st century」(Am J Clin Nutr February 2005 vol. 81 no. 2 341-354)
http://ajcn.nutrition.org/content/81/2/341.full.pdf
「(狩猟採集生活をする)北オーストラリアのAnbarra Aboriginesの人々は、1年あたり1人あたり、2kgのハチミツを摂取する。パラグアイのAcheインディアンの人々は、摂取カロリーの3%をハチミツから取る」
(両者とも、世界保健機構WHOやアメリカ心臓病協会AHAの1日25g以下の「加えられた糖」という基準と、ダッシュ・ダイエットの1日15g以下の「加えられた糖」という基準の両方を満たしています)
(6)「加工食品には秘密がある」(ウォーナー、楡井訳、2014年)を読みました。
(6)「加工食品には秘密がある」(ウォーナー、楡井訳、2014年)を読みました。
「アメリカ人が食べ物に費やす額は、過去60年間で激減し、1950年には可処分所得の20.6%だったものが、現在では9.8%になっている」(p23)
(現在、日本のエンゲル係数は25.8%です。食品の値段が高いからです)
「チーズ、冷凍野菜、鶏胸肉など、素材のままの食品の粗利益は、15~30パーセント。一方、朝食用シリアルやスナック菓子の販売利益は70パーセントにも達する。炭酸飲料やスポーツ飲料に至っては、90パーセントというとんでもない利益をもたらす」(p242)
(7)「砂糖についての真実The Truth about Sugar」、(英国BBC放送、2016年)を見ました。
砂糖を減らすことは、肥満の改善に効果があります。