昨日のイギリス国営放送BBCによれば、「食物の科学者たちは、『茶色になったパンやポテトは、潜在的ながんのリスクである』と述べている」とのことです。
「Browned toast and potatoes are 'potential cancer risk', say food scientist」2017年1月23日
「茶色になったパンやポテトには、糖化反応(メイラード反応)によってアクリルアミドがたくさんできるが、このアクリルアミドには発がん性があるので、そのようなパンやポテトは食べない方が良い」ということです。「高温の温度変化として、黄金の黄色までは許されるが、茶色は許されない」とのことです。
この記事は、英国政府の食物基準庁の見解を根拠としています。同庁の「アクリルアミド」という記事です。
しかし、この内容は、予防医学の関係者なら、すでによく知っているような内容です。一般国民に、この知識が浸透していないので、啓蒙の目的でニュースとして流しているのでしょう。二年前に世界保健機構WHOが、「ハムやソーセージなどの肉の加工品には発がん性がある」というニュースを流したのも、同じ趣旨でしょう。
拙著「砂糖の害」の第22章「コゲと発がん性」では、アクリルアミドについて5つの文章を紹介しています(p165)。
以下は、そのうちの一つです。
------------------------------------------------------------------
------------------------------------------------------------------
(16)厚生労働省は、次のように述べています。
・国際がん研究機関(IARC)は、アクリルアミドを2A(人に対しておそらく発がん性がある)に分類している。
・FAO/WHO合同食品添加物専門家会議は、食品中アクリルアミド濃度を減らす努力を続けるべきであると述べている。
・英国食品基準庁は、「アクリルアミドのようなDNAを損傷させる発がん物質への暴露は、合理的に達成しうる限り低くするべきだ」と述べている。
「加工食品中アクリルアミドに関するQ&A」
http://www.mhlw.go.jp/topics/2002/11/tp1101-1.html
・国際がん研究機関(IARC)は、アクリルアミドを2A(人に対しておそらく発がん性がある)に分類している。
・FAO/WHO合同食品添加物専門家会議は、食品中アクリルアミド濃度を減らす努力を続けるべきであると述べている。
・英国食品基準庁は、「アクリルアミドのようなDNAを損傷させる発がん物質への暴露は、合理的に達成しうる限り低くするべきだ」と述べている。
「加工食品中アクリルアミドに関するQ&A」
http://www.mhlw.go.jp/topics/2002/11/tp1101-1.html
------------------------------------------------------------------
私は、焦げた食品を食べていません。食パンの耳を食べていません。パン屋のパンも食べません。それらのパンは、表面が茶色になって硬くなっています。カツの衣を食べません。糖化反応によってできた物質を食べないようにしています。揚げ物は、たいてい表面が茶色になっています。揚げ物はお勧めではなく、煮物がお勧めです。
体細胞にできた変異は遺伝しません。生殖細胞にできた変異は遺伝して、子孫に引き継がれます。生殖行為が完了していない人(子どもなど)では、がん予防を強力に行う必要があります。
拙著の中で考察したように、進化には時間がかかるので、我々には、腐敗物に対する嫌悪感はあっても、糖化反応によってできた物質に対する嫌悪感はありません。