(1)「進化医学」(井村裕夫、2013年)を読みました。
この本は、正確で網羅的であるので、進化医学の教科書として使うことができます。

「本態性高血圧のモデルとして広く用いられている自然発症高血圧ラットにおいても、ある条件下、例えば高フルクトース食を与えると高脂血症、インスリン抵抗性などMet-s(メタボリックシンドローム)の要素を発症する」(p186)

(2)「ヒトは病気とともに進化した」(太田博樹、長谷川眞理子、2013年)を読みました。
現代の狩猟採集民の暮らしが紹介されています。
「採集による植物食が半分、狩猟や漁猟による動物食が半分の雑食である。赤道付近に行くほど動物食の割合は減る傾向にある」(p10)
極端な低糖質食を推奨する人たちは、狩猟採集生活をする人々が炭水化物を食べないことを根拠の一つにしていますが、それはこのように正しくありません。

「人々がいろいろな活動のために一日に歩く距離は、女性で平均9.5キロ、男性で平均14.1キロである。これはただてくてくと歩いているばかりではなく、とれた食料や水、薪などを運びながらの移動であることが多いので、毎日相当な運動量である」(p11)

(3)チャールズ・ダーウィンは次のように述べたそうです。
A man who dares to waste one hour of time has not discovered the value of life.
「1時間でも時間を無駄にできる者は、人生の価値をまだ発見していない」

(4)「進化生物学への道」(長谷川眞理子、2006年)を読みました。
群淘汰の考えは正しくないとのことです。