「うまく年をとることAging Well」(Vaillant著、2002年)という本のごく一部分を読みました。

著者は、ハーヴァード大学教授で、成人発達研究の責任者です。この研究では、計800人以上の人を、1940年頃より現在までフォローアップしています。この研究によれば、次のようです。

80歳の時点で幸福な人happy wellになるか、あるいは不幸な人sad sickとなるかは、中年の頃に次の6点が多くあるかどうかで決まるとのことです。
   ・喫煙者でないこと
   ・過度に飲酒しないこと
   ・適応的問題解決法 
      (一つの不幸で打ちのめされない。レモンがあればレモン水を作る)
   ・過体重でないこと、
   ・運動をすること
   ・安定した結婚
0~3の人:高率に不幸な人sad sickになる
5~6の人:高率に幸福な人happy wellになる

これに対して、本人の性格、ストレスの大きさ、収入、コレステロールの値などは、あまり関係ないとのことです。

他に著者は次のことを勧めています
・クリエイティブな活動をすること
・新しい友人を作ること
・新しい社会ネットワークに参加すること
・一生涯学び続けること

著者によれば、母親と父親は、子どもに対して、それぞれ重要な働きを持つとのことです。
「愛情があって精神的に支えてくれる家庭で育った少年は、人間関係やキャリアにおいて、成功するチャンスが大きい。また、独立心が旺盛で、困難にもめげない精神を発達させる」

著者はまた、次のように述べています。
「年を取った時に、我々の生活は、それまで好きだった人全ての総和になる」
“When we are old, our lives become the sum of all whom we have loved”

この本の解説記事を2つ読みました。これらは短いので全部読みました。
http://harvardmagazine.com/2001/03/the-talent-for-aging-wel-html

この本の邦訳を入手しました。「50歳までに『生き生きした老い』を準備する」(ヴァイラント、米田訳)。