仕事の哲学」(ドラッガー、上田訳)を読みました。これは、ドラッガーの名言集です。得るところが多い本です。

(1) 「最初の仕事はくじ引きである。(中略)、得るべきところを知り、向いた仕事に移れるようになるには数年を要する」 (p76)

高校の頃には、生物学を勉強するか、医学を勉強するかの判断がつかなかったので、東大の理科Ⅱ類へ行きました。しかし、成績がよくありませんでした。専門へ進学する時には、進学ガイダンスに出席して情報を集めました。獣医学科は、イヌやネコではなく、家畜の仕事が多いとのことでした。水産学科は、魚の生物学的研究ではなく、養殖の仕事が多いとのことでした。保健学科のガイダンスを聞いて、私にピッタリだと思いました。その後の選択肢は、研究者になるか、公務員になるか、企業に就職するかでした。私は、そのいずれも向いていないようでした。それで、医学部を再受験しました。医者になって本当に良かったと心から思います。これらの選択は、その都度正しかった(やむをえなかった)と考えています。

(2) 「社会は、一人ひとりの人間に対し、自分は何か、何になりたいか、何を投じて何を得たいかを問うことを求める」 (p74)

私は、予防が得意な医者になりたいと考えます。自分の時間とエネルギーを、患者さんの病気の治療と予防に向けたいと考えます。事故や病気の多くは予防できます。老化もある程度は予防できます。患者さんに情報提供を行っていきたいと考えます。予防をするにも、医者としての知識が必要です。例えば、食塩を減らしてはいけない人もいます(低Na血症の人、Naを体の外に排出する利尿剤を多く使う人など)。

(3) 「仕事を生産的なものにするには、成果すなわちアウトプットを中心に考えなければならない。技能や知識などインプットからスタートしてはいけない。技能、情報、知識は、道具に過ぎない」 (p39)

私は、知識のインプットを中心に考えていました。外の世界への貢献を第一に考えるべきでした。

高血圧の患者さんには、高血圧の薬を処方するだけでなく、正しい情報をお知らせして、一緒に生活改善を考えることができます。米国国立健康研究所NIHのような情報提供が、日本でも行われることを目指します。大きな貢献が可能です。

(4) 「最高のキャリアは、計画して手にできるものではない。自らの強み、仕事のやり方、価値観を知り、機会をつかむよう用意した者だけが手にする」 (p69)

私は、機会をつかむよう用意していません。現状は、私にとって望ましい環境ですが、もっと成果をあげるように努力します。

(5) 「成果をあげるための実践的な能力は5つある。第一に、何に自分の時間が何に取られているかを知り、残されたわずかな時間を体系的に管理する。第二に、外部の世界に対する貢献に焦点を合わせる。第三に、強みを中心に据える。第四に、優先順位を決定し、優れた仕事が際立った成果をあげる領域に力を集中する。第五に、成果をあげるよう意思決定を行う」 (p36)

1.私は、時間の使い方が下手です。体系的に管理していません。改善します。
2.私は、外部の世界に対する貢献に焦点を合わせていません。改善します。
3.私の強みは、真面目にこつこつと勉強することです。
4.米国の政府機関による一般向けのお勧めを翻訳します。
5.休日などを使って、成果をあげるために勉強します。