今週の保健学

(1)「日本経済が豊かさを取り戻すために」(コーゾー・ヤマムラ、2012年)を再度読みました。

ヤマムラ氏は、インターネットの情報技術革命により、2010年ごろから労働の生産性が向上すると予測しておられます(p46)。

ヤマムラ氏は、日本経済が発展するために、「人間が私財と既得権の虜であることをやめ、公共財、セーフティーネット、教育や研究などの『将来を勝ち取るための投資』をすること」を勧めておられます(p194)。

(2)「レスベラトロールの真実」(坪田一男、澤登雅一、2014年)を読みました。

・FOXOは、活性酸素を除去する指令を出す。しかし、過食や間食でインスリン・シグナルが高い状態が続くと、FOXOは、活性酸素を除去する指令を出さなくなる(p97)
・膵臓のβ細胞は酸化ストレスに弱い(p97)
・最終糖化産物AGEsは、一度作られると分解したり、体外から排出したりすることがほとんどできない(p106)
・「赤ワインを毎日飲む人は、認知症の発症率が4分の1になる」という研究がある(p115)

(3)「アルツハイマー病の予防戦略」米国国立加齢研究所NIA
https://www.nia.nih.gov/alzheimers/publication/preventing-alzheimers-disease/search-alzheimers-prevention-strategies

レスベラトロールについては、次のように述べています。

「レスベラトロールは、赤ブドウや一部のサプリメントに含まれる物質である。脳を保護する働きを持つように見える。観察的な研究によれば、赤ワインを穏やかな分量飲むと、アルツハイマー病の発病率が低下する。また、動物の研究によれば、レスベラトロールは脳の中のβアミロイドの堆積を減らす。またレスベラトロールは、アルツハイマー病のような年齢が関与する病気の生物学的過程に影響を及ぼすように見える。当研究所が支援する一つの臨床的研究は、レスベラトロールがアルツハイマー病を持つ人々に効果を持つかどうかをテストする」

(要するに、レスベラトロールが本当に効果があるかどうかについては、現在研究中であるとのことです)

「ビタミンE、ビタミンC、ビタミンB群、イチョウ、補酵素Q、については、臨床的研究が行われており、いずれもアルツハイマー病を予防したり、病気を遅らせる効果は無かった」

(4)「生涯健康脳」(瀧靖之、2015年)を読みました。

「海馬は『短期記憶』を受け取り、保存の必要性を判断したり整理整頓したりして、『長期記憶』を担うそれぞれの領域に移動、保存させる働きが(ある)」(p55)

瀧先生は、脳に良いものとして、有酸素運動、適量の睡眠、知的好奇心、コミュニケーション、音楽などを挙げておられました。また脳に悪いものとして、飲酒、肥満、ストレス、糖尿病などを挙げておられました。