次のような文を読みました。

(1)4章 高齢者の記憶、「老年心理学」、現代心理学シリーズ14、下仲順子編、1997年
短期記憶‥‥高齢者でも低下しない
長期記憶‥‥以下のように、高齢者では低下する場合と低下しない場合がある

エピソード記憶(昨日どこへ行ったか)‥‥高齢者では低下する
意味記憶(消防自動車の色は赤である)‥‥高齢者でも低下しない
自伝的記憶(小学校時代に経験したこと)‥‥21歳~30歳のことを多く思い出す
展望的記憶(友人と会う約束)‥‥‥メモをするなどで高齢者の方が勝る場合がある

(2)5章 高齢者の知覚と注意、同書
選択的注意(多くの対象の中から、必要な情報だけに注意を向ける)‥‥低下する
分配的注意(二つ以上の課題を同時に行う)‥‥低下する
注意の持続‥‥課題が一つだけなら低下しない

(3)ホスピタリズムhospitalism
小さい子どもを長期間、病院や施設に入れておくと、子どもの発達に遅れが生じる場合があります。家にいれば、両親と濃厚に関わりますが、病院や施設に入所していると、親との接触はわずかになります。子どもが健全に発達するには、親から多くを学ぶ必要があります。

高齢者の施設入所において、転倒を防ぐなどの理由で車イス上で安静にする時間を増やすと、生活不活発病を助長させる可能性があります。体を多く動かすなどの対策が必要です。

また施設では家族の関与が減って認知症が進む可能性があります。職員が声掛けを増やして関わりを強めるなどの対策が必要です。

(4)「創造性が重要: アメリカにおける加齢と芸術」Creativity Matters: Arts and Aging in America」(Monograph)Americans for the Arts
https://www.giarts.org/sites/default/files/Monograph_Creativity-Matters-Arts-and-Aging-in-America.pdf

「研究によれば、50代の始めから70代の終わりでも、神経細胞の樹状突起は、その数と長さを増す」

「研究によれば、芸術的活動に参加するお年寄りは、より健康であり、医者を受診する回数がより少なく、薬の使用がより少なく、より活動的で、社会へより深く関与している」

(5)「加齢の心理学The Psychology of Aging」slideshare(スライド)、Sydney Metrick
http://www.slideshare.net/SydneyMetrick/the-psychology-of-aging

「研究によれば、年をとっても生産的であるための要因は、年齢、民族、受けた教育、結婚の状況、収入とは関係がなく、次のものと関係している。
・活動に多く参加すること
・親しい友人を多く持つこと
・家族と雑談をすること
・本を読んだりラジオを聞いたりすること」

(6)「うまく行く加齢Successful Aging」(スライド)Stanford HCI Group
http://hci.stanford.edu/agile/presentations/positive-aging.ppt

高齢になっても生産的であった人の例として、次の人々が挙げられています。生産的な人は、高齢になっても使命感を持ち続けるとのことです。(没年齢と職業は、私がWikipediaで調べたものです)。
Verdi(87歳、作曲家)
Pablo Picaso(91歳、画家)
Henri Matisse(84歳、画家)
Arthur Rubenstein(95歳、ピアニスト)
Martha Graham(96歳、舞踏家)
George Bernard Shaw(94歳、文学者)
Georgia O'Keeffe(98歳、画家)
Winston Churchill(98歳、政治家)
Frank Lloyd Wright(91歳、建築家)

(7)「加齢Aging」、英語版Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Ageing

以下のような文がありました。
「反応時間は年齢と共に遅くなるが、世界の出来事の知識や知恵は増える」
「ヒーラ細胞や幹細胞は、無限に生き続ける」
「人工的クローンニングでは、大人の細胞を胚細胞の状態にまで若返らせることができる」
「30歳までに、顔や手などの日光が当たる部位に、主に光老化によって、しわができ始める」
「60-64歳では、53%の人が変形性関節症となる」
「認知症は、年齢と共に増える。65-74歳では3%の人が認知症であるが、75-84歳では19%の人が認知症であり、85歳以上では50%近くの人が認知症である」
「視力障害があると、非言語的コミュニケーションが減って、孤立化を招くことがある」
「産業化された国では、90%近くの人は、加齢に関係する病気で死亡する」
「老化の学説は、主に2つのグループに分けることができる。一つはプログラム説であり、もう一つは損傷説である」