次のような文を読みました。
(1)「なぜ5%か Why 5%?」、英国公衆衛生庁Public Health England
https://www.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/489906/Why_5__-_The_Science_Behind_SACN.pdf
英国政府の諮問を受けた「栄養に関する科学的アドバイス委員会」は、英国政府に対して、砂糖の消費を全エネルギーの5%以下にするようにアドバイスをしています。なぜ5%以下にする必要があるのでしょうか。この文章は、次のように述べています。
「子どもと青年を対象として、無作為対照比較試験を行ったところ、砂糖で甘くした飲料を飲む者は、低カロリー飲料を飲む者と比較して、体重がより多く増加し、BMIの値がより多く増加した」
「前向きのコホート研究により明らかにされたのは、砂糖で甘くした飲料の消費は、2型糖尿病のリスクを高めることである」
「『栄養に関する科学的アドバイス委員会』は、英国中の人はフリーの砂糖を、摂取エネルギーの5%を超えて摂取していはならないと英国政府にアドバイスしている。これは、2歳以上の全ての年齢の人に適用されなければならないとしている」
(フリーの砂糖とは、細胞の中にない砂糖のことで、食品に加えられた単糖類・ニ糖類と、ハチミツ、シロップ、果物ジュースを含む)
(2)「1年間の歩行は、アルツハイマー病の認知機能を安定化させるWalking stabilizes cognitive functioning in alzheimer's disease (AD) across one year」Winchesterら、Arch Gerontol Geriatr. 2013; 56(1): 96-103.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3766353/
「アルツハイマー病の早期の段階の患者さん104名を1年間観察した。認知機能はMMSE(Mini Mental Scale Examination)で評価し、体の活動度はYALEエール身体活動調査の指標で評価した。体を動かすことが少ない患者さんは、認知機能がより大きく低下した。週に2時間以上、体を動かす患者さんは、認知機能が有意に向上した」
スタンフォード大学(世界大学ランキング3位)のアルツハイマー病研究センターのホームページには、優れた論文のリストがあります。この論文は、そのリストの中にありました。
(3)「砂糖税:効果はあるのかThe sugar tax: would it even work?」本音の科学者たちThe Naked Scientists、2015.11.20、ケンブリッジ大学
http://www.thenakedscientists.com/HTML/interviews/interview/1001551/
http://www.thenakedscientists.com/HTML/interviews/interview/1001551/
音声付きです。ケンブリッジ大学は、2016年THE世界ランキング4位の大学です。同大学では、一般向けに情報提供しています。
「英国公衆衛生庁は、砂糖を含む食品に10~20%の税金をかけたいと考えている」
「メキシコでは、砂糖飲料1リットルに対して1ペソ(約6円)の税金をかけている。カリフォルニア州バークレーでは、砂糖1オンス(約28グラム)に対して、1セント(約1円)の税金をかけている」
「20%くらいの税をかけなければ、たいした効果は無いという意見がある」
「タバコで明らかなように、税は効果がある」
(4)「砂糖:歯を破壊するSugar: One big kick in the teeth」本音の科学者たちThe Naked Scientists、2015.11.20、ケンブリッジ大学
http://www.thenakedscientists.com/HTML/interviews/interview/1001553/
「プラークにいる細菌は、砂糖を酸に変える。酸は歯を腐食させる」
「リンゴに含まれる砂糖は、細胞内にあり、多くは飲み込まれるので、歯に与えるダメージは、ずっと少ない」
(5)「砂糖の摂取を半分に減らさなければならないSugar intake should be halved」本音の科学者たち The Naked Scientists、2015.11.20、ケンブリッジ大学
http://www.thenakedscientists.com/HTML/interviews/interview/1001554/
「(英国では)、摂取エネルギーの12~15%は、フリーな砂糖からのエネルギーである。これは多すぎる数字である。砂糖からのエネルギーは、摂取エネルギー全体の5%以下にすべきだ」
「砂糖の摂取は、肥満のリスクを高める。また、砂糖は2型糖尿病のリスクを高める」