Wikipedia「作話」に、「子どもと作話」という項目を加筆しました。これは、英語版Wikipedia「作話」の「発達の差」という項目を日本語に訳したものです。


子どもと作話

いくつかの研究は、年配の大人の方が若い人よりも誤った記憶を持つことが多いと述べているが、不自然な作話についての研究は、小児期についての研究が大多数である。[1] 子どもは、被暗示性が強いので、不自然な作話を特に行いやすい。[2][3] 

子ども達は、作話した内容を思い出すように指示されたときに、それは自分が作話したものであることを、あまり憶えていない。また子ども達は、作話した内容を実際に起きた本当のことであるとして思い出しやすい。[4] 研究によれば、子どもが過去に作話した内容と現実の出来事をあまり区別できないのは、記憶内容をモニターする仕組みがまだ十分に発達していないからである。記憶内容をコード化したり、評価して推論する技術がまだ未熟であるので、子ども達が本当の記憶と誤りの記憶を区別できる能力は高くない。また、小さい子どもでは、作話した内容と作話ではない内容を思い出すためのメタ記憶(その記憶についての記憶。その記憶を持っているかどうかの記憶)の機能を持っていないようである。[5] また、子どものメタ記憶の過程は、自分の期待やバイアスの影響を受けるので、子ども達は、もっともらしいが正しくない話を、作話ではない真実の話と判断するのである。[6]

しかしながら、正確性についてテストされていると知っている時に、子ども達は、答えられない質問に対して、大人よりも、作話せずに「知らない」と答える割合が高い。[7][8]

最終的に、誤りの情報によるトラブルは、たいていは年齢に伴って成長し、その子どもが必要とする交流を行って、次の発達段階に達することにより、最小化される。[9]