(1)カルテの情報は、常に患者さん本人に開示されるべきです

厚生労働省の「カルテ等の診療情報の活用に関する検討会」の報告書には、次のように書かれています。

「診療情報提供が必要な理由としては、第一に医療従事者と患者の信頼関係の強化、情報の共有による医療の質の向上、第二に個人情報の自己コントロールが考えられる」

「診療情報の提供は、患者に対する説明の一環として、患者の求めがなくとも行うべき。患者が説明とは別に診療記録の開示を求めた場合には、基本的に医療従事者はその要請に応じるべき」

「医療従事者と患者の真の信頼関係を築くためには、診療記録そのものを示すことが必要」

「本人以外の者に対する診療情報の提供は、本人の同意がある場合及び本人に自己の治療について理解、判断する能力が欠けている場合に限るべき」

「診療情報は個人情報であり、本人以外の対象者の範囲は、厳格に考えるべき」

「がんや精神病が特に問題となるが、これらの場合にも診療情報の提供には積極的な意味もあり、基本的には情報を提供すべき」


(2)健康診断で、CEAの値を測定するのはお勧めではありません

CEAは腫瘍マーカーの一つです。腫瘍マーカーは、体内にがんがあると検査値が上昇するような検査項目です。CEAは、例えば大腸にがんがあると数値が上がります。

年に1回の健康診断の時に採血してCEAの値を調べて、大腸がんの早期発見用に使うことが考えられますが、正真正銘の大腸がんの場合でも、CEAの値が上がるのは、大腸がんのケースの半分ほどです。つまり半分見落とすわけです。また、値が上がるのは、がんの大きさが、ある程度以上に大きくなってからです。言わば「手遅れが分かるだけ」です。つまり、大腸がんの早期発見用には使えないということです。

だから、地方自治体が行う健康診断の検査項目には、CEAなどの腫瘍マーカーは入っていません。民間の検査機関が人間ドックを行う際に、CEAを測定することがありますが、その場合には、大腸内視鏡検査などの検査を併せて行っています。

今、便に血が混じるなどして、大腸がんを心配している人がいたとします。その人が検診でCEAの値を調べたとします。大腸がんが小さい場合には、CEAの値は正常値になりますから、この人は安心してしまい受診を取りやめるかもしれません。そうすると、大腸がんは発見されないことになります。健康診断でCEAを測定すると、大腸がんを早期発見するのではなく、大腸がんの早期発見を妨げるのです。

また、CEAの値は、大腸がんでなくても上昇します。例えば喫煙者のCEA値は、しばしば上昇しています。だから、CEAの値が上昇した場合に、よく行われる対応は、3か月後に再度測定することです。もし値が減少傾向にあるようなら、さらに経過を観察します。このような対応は、CEAの値では早期発見が困難であることを前提にしています。

健康診断でCEAの値が上昇していて、精密検査して助かるのは次のような場合です。CEAの値の上昇が、大腸がんからではなく他の要因によるものであって、しかも偶然に、大腸に早期がんがある場合です。

日常診療でCEAを測定するのは、例えば、微熱が長引くような場合です。微熱が長引くのは、感染、腫瘍、内分泌疾患、自己免疫性疾患などの場合です。早期がんでなく、ある程度大きいがんがあれば、時々微熱がでることがあります。発熱を繰り返す場合の鑑別診断の一環として、CEAを測定することがあります。

大腸がんを早期に発見するためには、便潜血検査(毎年)や大腸内視鏡検査が行われます。私は、今からちょうど1年前に大腸内視鏡検査を受けています。もちろん健診の際にCEAを調べません。

( この小文は、健康診断の時にCEAを調べない理由を簡単に述べたものです。腫瘍マーカーについて正確に説明するものではありません)

(3)お年寄りの方々へ提供したいもの

今すぐにできそうなのは、次のようなことです。
1.新聞を提供する
2.青空文庫を印刷して渡す
3.図書館で本を借りてきてあげる
4.パソコンに将棋や碁の無料ソフトを入れて提供する 
5.映画の上映会をする(ただし著作権料の支払いを要する)

(4)浜辺の歌
最近、浜辺の歌の英語版を聞いています。最初に聞いたときは、歌詞が全く聞き取れませんでした。英語であることが分かっただけでした。
https://www.youtube.com/watch?v=5ky2KqCvF1I

歌詞を聞き取った方がおられます。oofutaba_aoiooさんの歌詞を見ながら、歌を聞いています。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12106518122

(5)ニュース(新聞、テレビ、ネット)
勉強を始めるときや途中でニュースを見ると、頭の中が大事件や大災害や凶悪事件やのんきな話題で満たされてしまい、勉強しようとする気持ちが消し飛んでしまいます。寝る前に見ると、眠る気持ちが消し飛んでしまいます。寝る前はニュースを見ずに、静かな音楽を聞いて心を静めるのがお勧めです。

(6)始めれば終わる
野口教授によれば、「仕事は、始めれば終わる」とのことです。どんなに大変な仕事も、始めさえすれば、それはやがて完成するとのことです。

今、3時間くらいかかる仕事(勉強)があったとします。そして、今一つ気乗りがしないとします。また、10分後には、5㎞のジョギングに出かけるつもりであったとします。そんな時には、その隙間の10分間で、その仕事(勉強)の最初の部分を済ませておくのがお勧めです。気乗りがしない仕事でも10分間だけなら、しっかり行うことができます。そして、ジョギングから戻ってきて風呂に入った後には、仕事の続きが容易にできます。そして3時間後には仕事が終わっています。これは、最初に仕事を始めておいた効果です。

(7)重要なことからする
ランディー教授は「重要なことからせよ」と述べておられます。

 休みの日の朝に、すべきことが5つほどあったとします。簡単に終わりそうに見えたことから始めると、それに手間取って、結局それだけに終わることがあります。つまらない事に時間を取られてしまい、他の重要なことができなくなります。そんな時、ランディー教授の言葉を思い出します。重要な順にすれば良かったと反省します。歳をとって、人生の残り時間が少ない場合には、特に重要です。