(1) 厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年)」では、お年寄りの方のエネルギー必要量について次のように示しています。

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(2) 米国政府がダッシュ・ダイエットを勧める文書には、年齢ごとのエネルギー必要量が示されています。

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(出典: 日本語版Wikipedia 「ダッシュ・ダイエット」より)


(3) 英国国立医療技術評価機構NICEの「脳卒中のリハビリテーション」Stroke Rehabilitationという文書によれば、栄養については、「NICEガイドライン『大人における栄養の支援Nutrition Support in Adults』に従え」と書いてあります。

その文書には次のように書いてあります。
「重篤な病気やrefeeding 症候群が無い場合には、1日の総エネルギー量は25~35kcal/kgとすべきである」

なおrefeeding 症候群については、以下を参照してください。


(4) 討論
日本の基準では、運動量が少ない人の場合は、男性は1850kcal、女性は1500kcalということになります。日本と米国の基準では、患者さんの体格は考慮されないので、大柄な人も小柄な人も、同じ量のカロリーを摂取することになります。ちょっと違和感がありまが、原則的にはこれに従うということです。

英国の基準では、男性も女性も同じ量のカロリーを摂取することになります。そして、大柄な人でも小柄な人でも、体重1㎏当たりの摂取カロリーは同じです(体が小さいと、単位体積当たりの表面積が大きくなって、流出する熱が増えます。それで、小さい子どもの基礎代謝は大人の3倍もあります)。これもちょっと違和感があります。

私は62歳で、最も少ない日でも8000歩歩きます。中等度の活動です。2200kcalでは体重は不変ですが2050kcalでは減少します。日本の70歳以上の基準では、2200kcalということになります。英国の基準では1500~2100kcal(おそらく1800kcal)ということになって、ちょっと足りない感じです。

なお、総エネルギーだけでなく、個々の栄養素の必要量を満たすことも必要です。