以下のような認知症の文献を読みました。
(1)日本医師会 「在宅医リーダー研修会」 3.認知症 瀬戸裕司先生 p39、図表49
認知症高齢者との接し方について、瀬戸先生は次のように述べておられます。
1.自尊心を傷つけない
2.納得いく様に話す
3.ペースはとにかく相手に合わせる
4.話は単純・簡潔にする
5.流行語は使わないでわかりやすく
6.近くで、きちんと正面から話す
7.言葉だけでなく、文字などを使う工夫も有用
8.言葉以外のコミュニケーションが大切
9.話の中で、時には現実も提示する
10.過去を回想することも大切
(2) 認知症疾患治療ガイドライン2010 コンパクト版2012 Ⅲ章 認知症の治療原則と選択肢
運動療法について、次のように書かれています。
「認知症予防に関して運動療法の効果はその負荷に応じた結果であるため、有効性に対する評価はさまざまである。現在のところ認知症の症状改善に対する運動療法の効果についてのエビデンスは不十分と言わざるを得ない」
運動療法の治療効果は不明ということのようです。
(3)メイヨー・クリニック 「アルツハイマー病」
http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/alzheimers-disease/basics/lifestyle-home-remedies/con-20023871
http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/alzheimers-disease/basics/lifestyle-home-remedies/con-20023871
「ライフスタイルと家庭治療」の中で、運動について、次のように述べられています。
「よく知られているように、常にする運動は、心臓の健康に役立ちます。また、常にする運動は、認知機能の低下を防いでくれる可能性があります。また、常にする運動は、気分を良くするでしょう」
(4)「Caring for a Person with Alzheimer's Disease」 National Institute on Aging (NIH)
「アルツハイマー病を持つ患者さんのケア」の項目の中に、次のような文がありました。
・視線を合わせて、患者さんの注意を引いて下さい。患者さんの名前を呼んで下さい。(p11)
・なるべく双方向の会話をして下さい。(p11)
・「はい」や「いいえ」で答えられる質問をして下さい。例えば、「どのように感じていますか」と聞く代わりに、「疲れていますか」と聞いて下さい。(p12)
・うまく話すことができなくなると、患者さんは他のコミュニケーションの手段に頼ることがあります。例えば、顔の表情により、悲しみ、怒り、欲求不満などを表現することがあります。(p13)
・物事を単純にして下さい。一つの時に、一つのことをして下さい。(p16)
・毎日、同じ時間に決まったことをして下さい。そうすれば、患者さんはあることがいつ起きるのかが分かります。(p16)
・ここは安全な場所であり、あなたが患者さんの助けになることを、繰り返し患者さんに伝えて下さい。(p16)