脳卒中や認知症のリハビリについて、次のような文章を読みました。H27.8.31に青字の部分を加筆しました。
(1)「脳卒中治療ガイドライン2009」日本脳卒中学会
http://www.jsts.gr.jp/main08a.html
http://www.jsts.gr.jp/main08a.html
「Ⅶ リハビリテーション」に次のような文がありました。
・有酸素運動トレーニングもしくは有酸素運動と下肢筋力強化を組み合わせたトレーニングは、有酸素性能力、歩行能力、身体活動性、QOL、耐糖能を改善するので強く勧められる(体力低下に対するリハビリテーション)。
有酸素運動が勧められています。しかし、有酸素運動を、どのくらいの強度で、どのくらいの時間行うべきかについては、はっきりしません。
・神経促通手技は、行っても良いが、伝統的なリハビリテーションより有効であるという科学的な証拠はない。
川平先生の神経促通手技についての評価は良くありません。下記の外国のガイドラインにも、神経促通手技への言及は見当たりません。
・起立‐着席訓練や歩行訓練などの下肢訓練の量を多くすることは、歩行能力の改善のために強く勧められる。
・脳卒中片麻痺で内反尖足がある患者に、歩行改善のために短下肢装具を用いることが勧められる。
短下肢装具には、簡便なタイプと、頑丈なタイプがあります。その使い分けについて、調べてみます。
(2)「脳卒中の治療のための臨床的ガイドライン2010年 Clinical Guidelines for Stroke Management」オーストラリア脳卒中協会 Stroke Society of Australia
https://strokefoundation.com.au/~/media/strokewebsite/resources/treatment/clinical_guidelines_stroke_managment_2010_interactive.ashx?la=en
https://strokefoundation.com.au/~/media/strokewebsite/resources/treatment/clinical_guidelines_stroke_managment_2010_interactive.ashx?la=en
このガイドラインでは、歩行のためのリハビリの一つとして、バーチャル・リアリティが勧められています(グレードC)(p85-86)。
例えば、テレビゲームのことです。
「グループ運動や自宅での運動は、転倒のリスクを減らす」と述べています。(111の無作為コントロール研究をまとめたコクラン・レビューに基づく)(p110)。
バランスが良くなって、転倒が減るということでしょう。運動を行って、骨に荷重をかければ、骨自体も強固になります。
(3)「虚血性の脳卒中とTIAの治療のガイドライン2008年Guidelines for Management og Ischaemic Stroke and Transient Ischaemic Attack 2008」ヨーロッパ脳卒中協会The European Stroke Organization
https://www.karger.com/Article/Pdf/131083
二次予防について、次のようなことを推奨しています
・常に身体的運動を行うことが推奨される
・食塩と飽和脂肪が少なく、果物と野菜が多く、食物繊維が多い食事が推奨される
・抗酸化のビタミンのサプリメントは推奨しない
・食塩と飽和脂肪が少なく、果物と野菜が多く、食物繊維が多い食事が推奨される
・抗酸化のビタミンのサプリメントは推奨しない
(4)「成人の脳卒中のリハビリ治療」(臨床的治療のガイドライン)アメリカ心臓病会の中の脳卒中委員会、2005年
http://stroke.ahajournals.org/content/36/9/e100.full.pdf
http://stroke.ahajournals.org/content/36/9/e100.full.pdf
患者さんと家族への教育(情報伝達)について、次のように述べています(e109)。
・患者さんと家族に教育を行うには、相互的な話の中で、文書で伝えることを推奨する。
もっと文書を作成します。
・家族カンファレンスは、情報伝達を行うのに有用な場である。
早速、情報伝達の場として活用しています。
・患者と家族に教育を行った内容は、医学記録に記載するべきである。それにより、相互に矛盾する情報が、別のところから伝えられることを予防できる。
患者さんの家族と話をしたような場合、その都度、その内容をカルテに記載しています。
(5)「リハビリテーション・マニュアル」日本医師会、1994年
「脳卒中のリハビリテーション」に次のような文がありました(p31-40)。
「大まかに考えれば、生存しえた初発の脳血管障害患者は、適切なリハビリテーション治療を行えばその約7割が屋内レベルまでは日常生活活動が自立し、その際、歩行には短下肢装具、杖の使用を必要とし、片手動作で身辺動作を行う場合が多いといえる」
「廃用の改善には一般にそれをつくった期間の2~数倍の時間を要するといわれるものの、改善自体は可能(である)」
廃用があれば、しっかり治療します。
「日中十分に訓練が行われるようになると不眠が改善される場合も多い」
不眠は、体を動かさない生活sedentary lifestyle の一つの弊害である可能性があります。
(6)「認知症テキストブック」日本認知症学会、2008年
「認知症のリハビリテーションとケア」で、次のように述べています(p181-187)。
「認知症への認知リハcognitive rehabilitationは、セラピストの労多くして、その割りにクライエントへの効果が乏しい」
脳を活性化させるためには、次のようなことが必要であるとのことです。
・リハビリの活動自体が楽しいこと
・他者とコミュニケーションを行うこと
・他者の役に立っていると実感すること
・正しいリハビリ活動を繰り返すこと
・リハビリの活動自体が楽しいこと
・他者とコミュニケーションを行うこと
・他者の役に立っていると実感すること
・正しいリハビリ活動を繰り返すこと
苦痛を伴う訓練ではなく、楽しい訓練が望まれます。
そして、具体的には次のようなリハビリ活動が勧められています。
・昔を回想すること
・音楽や芸術に触れること
・知的ゲームや計算や音読を行うこと
・記憶訓練を行うこと
・身体運動を行うこと
・身体の活動性を維持すること
・昔を回想すること
・音楽や芸術に触れること
・知的ゲームや計算や音読を行うこと
・記憶訓練を行うこと
・身体運動を行うこと
・身体の活動性を維持すること
認知症のリハビリでも身体活動が重要であると再認識しました。