先週の日曜日に、横浜で開催された日本老年学会に行ってきました。日常診療に、さっそく役に立っています。

気になった点が3つありました。

(1)老人に飴玉を勧める人がいたこと
「飴玉は、最良の薬で、薬価も安い」とのことでしたが、飴玉は砂糖を含み、血糖値を上げます。砂糖は、糖尿病にも、アルツハイマー病にも、最悪です。

(2)慢性疼痛に、COX2(コックス・ツー)とノイロトロピンを勧める人がいたこと
開示をするなら、私は、製薬会社のお弁当を食べました。知らなかったのです。ランチョン・セミナーを聞くには整理券が要るとのことで、整理券をもらいました。部屋の入り口でお弁当を買うのかと思っていました。入り口で、前の人がするようにして、整理券を渡してお弁当を受け取りました。よく考えると、お金を払わなかったのです。私は、その無料のお弁当を食べました。

私は、次のように質問しようかと思いましたが、質問しませんでした。
「私は、腰痛の英語のガイドラインを4つほど読みました。アメリカ、イギリス、ヨーロッパ、WHOです。腰痛には、アセトアミノフェンまたはNSAID(エヌセイド)を短期間使えと書いてあります。それでダメならオピオイドを短期間使えと書いてあります。アセトアミノフェンは、過量に使わなければ安全で、またCOX2がNSAIDより効果があるとするエビデンスは無い、とどこかに書いてありました。先生のところに、欧米のガイドラインを上回るような無作為前向き試験のデータがあるのですか。あるとすれば、それに対する、欧米の反応はどうですか」

(3)お年寄りの人の水分摂取量を、1日500ml までとして上限を設定した人がいたこと
次のようなことがあるので、摂取水分量の上限を決めるのは危険です。

・おフロ好きの人が長湯をすれば、そのくらいの量の水分を失うかもしれません。
・下痢で水分を失っていても教えて下さらないことがあります。
お年寄りの人の中には、自分を便秘症と考えている人が多くおられます。若い頃は2800kcalくらい食べていたのに、年をとってから1400kcalになれば、便の量は半分になって、昔は毎日出ていたのに、今は2日に1回になります。それで当然であるのに、毎日便を出そうとして、トイレで苦しむことがあります。もし下痢になれば、これこそ正しい便だと思うかもしれません。ようやく、お腹を空にすることができたということです。だから、下痢があっても病気として知らせて下さらない場合があります。
・下肢浮腫があったり、高血圧があったり、心不全があったりして、利尿剤を飲んでおられる場合があります。利尿剤を飲んでいれば、水分を失います。
・糖尿病で水分を失うことがあります。
糖尿病では、尿に糖が混入します。尿に糖が混入すると、その分だけ浸透圧が高くなり、周囲の水を引っ張り込みます。それで、尿の分量が増えます(浸透圧利尿)。糖尿病の症状の一つは、他飲多尿です。コントロールがゆるい糖尿病の人は、水分を失いやすくなります。
・脳にトラブルのある人に、尿崩症があっても、不思議ではありません。尿崩症では、多飲多尿となります。

以上のように、3点のケチを付けましたが、これ以外の97点くらいについては、非常に、私の役に立っています。私は、たくさん勉強をしてきました。ノートも多く取るこができました。誠に有難うございました。

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          平成9年に、公衆衛生学会が、横浜で開催されました。その時以来です。

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    食べ放題で2500円の中華料理を食べました。お酒を飲まないので、店は赤字だろうと想像します。


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          横浜マリノスのサッカー場です。3日前に、日本代表の試合が行われました。