(1)英語版Wikipedia「腰痛」の「歴史」の項を訳して、日本語版に加筆しました。
腰痛の歴史
人類は、銅器時代以来、腰痛と共にあった。外科の論文として最古のものは、紀元前1500年ごろのもので、Edwin Smith Papyrusが、脊椎捻挫を診断するための検査について述べている。ヒポクラテス(紀元前460年-同370年)は、最初に坐骨神経痛や腰痛という言葉を使った。また、2世紀の中ごろから終盤にかけて活躍したガレンは、腰痛の概念についてやや詳しく記載した。人類の最初の千年の終わりごろまでは、医者は、背中の手術を試みることは無く、注意深く観察して待つように患者に勧めた。中世を通じて、実地医家は、腰痛は精神から生じるものと考えて医療を行った。[63]
20世紀の初めには、医者は、腰痛が神経の炎症や神経のダメージによって生じると考えた。[63] その当時の医学論文には、神経炎や神経痛という言葉がよく出てくる。[64]しかし20世紀の終わりごろには、腰痛がそのようにして起きるという考えを支持する人は少なくなった。[64] 20世紀の初めに、アメリカの脳神経外科医のハーベー・クッシングは、腰痛の外科的治療が世間に受容されることに貢献した。[65] 1920年代から1930年代にかけて、腰痛の原因について、新しい考え方が現れた。医師たちは、神経系と精神的要因の組み合わせによって腰痛が生じるという考えを提案した。例えば、神経の弱さ(神経衰弱)や女性のヒステリーである。[63] 筋肉のリウマチ(現在は結合組織炎と呼ばれる)も、論文中に出てくる頻度が増した。[64]
ハーベー・クッシング 1920年代
エックス線写真のような新しい技術により、医師は診断のための新しい手段を手に入れた。エックス線写真は、あるケースでは、椎間板が腰痛の原因となることを明らかにした。1938年に整形外科医のJoseph S. Barrは、椎間板が関与する坐骨神経痛が、手術により改善したことを報告した。[64]この研究報告によって、1940年代には、腰痛の椎間板モデルが、支配的となり、[63] CTやMRIなどの新しい画像診断の援助を受けて、1980年代の文献の主流となった。[64] その後、椎間板のトラブルは腰痛の原因としては比較的まれであることが研究により明らかとなり、椎間板についての議論は下火となった。その時以来、医者は、多くのケースでは、腰痛の原因は特定されないことに気が付くようになり、また、たいていの場合には、治療の有無に関わらず、6週から12週以内に、痛みが治まることに気が付くようになった。[63]
(2)米国版Wikipedia「ダッシュダイエット」の冒頭部分を訳して、日本語版の「ダッシュダイエット」の項目を作成しました。
ダッシュダイエット
ダッシュダイエット(DASH diet) (Dietary Approaches to Stop Hypertension)は、米国厚生省の健康研究所NIHの国立心臓肺血液研究所NHLBIが、高血圧を予防し治療するために推奨している食事療法のことである。
ダッシュダイエットでは、果物、野菜、全粒穀物、低脂肪乳製品を充分に摂取する。それらには、肉、魚、鶏肉、木の実、豆を含む。そして、砂糖で甘くした食品や飲料、赤肉、外から加えられた脂肪を制限する。血圧を下げる効果の他に、一般の人のために、バランスの取れた栄養素が摂れるようにデザインされている。米国農業省は、ダッシュダイエットを、理想的な食事プランの一つとして推奨している。
外部リンク
メーヨー・クリニック 「栄養と健康な食生活」
米国厚生省 「ダッシュダイエットであなたの血圧を下げるガイド」