以下のように、米国版Wikipedia「腰痛」の「検査」の項目を訳して、日本語版に加筆しました。
検査
レッド・フラッグの症状がある場合や、改善しない神経学的な症状が続く場合や、悪化する痛みがある場合には、画像検査を行うのが望ましい。[15] 特に、がんや感染や馬尾症候群が疑われる場合には、早期にMRIまたはCTの検査を行うことが推奨される。[15] 椎間板の疾患を見つけるのには、CTよりMRIの方がやや優れている。脊柱管狭窄症を診断するには、両者ともに有用である。[15] また2、3の身体的な検査が有用である。[15] 椎間板ヘルニアでは、たいてい下肢伸展挙上検査が陽性となる。[15]腰部椎間板造影検査は、高度な腰痛が持続する場合に、痛みの原因となる椎間板を見つけるのに有用であろう。[22] 同様に、神経ブロックのような治療的手技が、痛みの場所を突き止める目的で使用されることがある。[15] このように、椎間関節注射、変形硬膜外注射、仙腸関節注射を、診断的な検査として使用することを支持するいくつかのエビデンスがある。[15] その他の身体的検査、例えば側彎症の身体検査、筋力低下の検査、神経反射の減弱の検査などは、ほとんど使用しない。[15]
腰痛の訴えは、人が医療機関を訪れる最も多い理由のうちの一つである。[23][24] 多くの痛みは、2、3週間しか続かずに、ひとりでに消えるように見える。[25] 医学学会のアドバイスによれば、もし、現病歴と診察所見が、腰痛の原因となる特定の疾患を示唆しないのならば、エックス線写真やCT検査やMRI検査は不要である。[24] 患者さんは、そうした画像検査を望むこともあるが、[26][27]レッドフラッグの症状が無いのであれば、そうした検査は不必要である.[23][25]ルーチンの画像検査は、コストがかかり、症状を改善させる効果の無い外科手術を受ける可能性が強くなり、 [28][29]浴びる放射線が体に悪影響を及ぼす。[28] 問題の原因を特定できるのは、画像診断の1%以下に過ぎない。[23] 画像検査は、害の無い異常を見つけて、必要のない別の検査をさらに受けるように患者さんを仕向け、患者さんの心配を増やす。[23]しかしながら、米国のメディケアの統計によれば、1994年から2006年までに、腰部のMRI検査の件数は、300%以上、増加した。[30]