「iPS細胞」(黒木登志夫先生)(中公新書)を読みました。
黒木先生は、がん遺伝子を研究しておられます。この他に「がん遺伝子の発見」(中公新書)を書いておられます。また、以前「目で見るがん研究」という本を書いておられます。
この本の内容を一言で言えば「夢の医療が実現しつつある」ということです。例えば次のようなことが書かれています。
・iPS細胞より肝細胞→肝組織→薬物代謝を行う(p143)
・アルツハイマー病の患者さんから分離したiPS細胞は、病態を再現する(p162)
・軟骨異形成症の患者さんから採取したiPS細胞は、病態を再現する(p175)
・iPS細胞から作った細胞がドーパミンを分泌した(p214)
・iPS細胞より肝細胞→肝組織→薬物代謝を行う(p143)
・アルツハイマー病の患者さんから分離したiPS細胞は、病態を再現する(p162)
・軟骨異形成症の患者さんから採取したiPS細胞は、病態を再現する(p175)
・iPS細胞から作った細胞がドーパミンを分泌した(p214)
これは、夢ではないのかと、何度も頬をつねるような気分です。関係する医学研究が、爆発的に進展している様子が分かります。
黒木先生の本には、次のような特徴があります。
・科学的に正確である
・最先端の研究を扱っている
・分かりやすく平易に書いてある
・最先端の研究を扱っている
・分かりやすく平易に書いてある
・難解な内容を簡単に理解できる
・熱意や動機(モチベーション)が伝わってくる
・著作権を正しく扱っている
・熱意や動機(モチベーション)が伝わってくる
・著作権を正しく扱っている
この本で紹介されていた映画、本を入手するつもりです。ただし英語の論文は読みません。
この本では、「チョコレートの消費量が多い国は、ノーベル賞の獲得数が多い」と述べている論文が紹介されています。それには、賛成できません。相関関係があると思っても、偽りの相関関係(偽相関)であることもあります。

このグラフは、脂肪の消費量(一人当たり)と、乳がん死亡率(10万人あたり)の相関関係を示しています。日本は、左下にあります。両者は、密接な関係があるように見えます。このグラフを見て、欧米諸国は、脂肪消費量を懸命に減らしました。しかし、時間が経過して、脂肪消費量は下がりましたが、乳がんの発生率は下がりませんでした。偽相関だったのです。
ただし、必須脂肪酸が不足している人は多くいます。チョコレートを食べて、不足する必須脂肪酸を補っている可能性はあります。カカオに含まれる脂肪は、良質の脂肪です。しかし、砂糖が余計です。その目的なら、砂糖を含まないココアがお勧めです。さらに良いのは、カフェインを含まないオリーブオイルや透明のゴマ油です。白澤先生は、ココナッツ・オイルを勧めておられます。
この本を読んで、予防医学(保健学)や医学を学んでいて本当に良かったと再認識しました。苦労する甲斐があります。