以下の内容を、Wikipedia「腰痛」に加筆する予定です。

(1)腰痛の保存的治療について、米国疼痛協会のガイドラインを調べました。
(次の表は、p482の表を訳したものです)

この表は、骨折や感染やがんなどを除いた、非特異的腰痛だけを対象にしたものです。またこれは、非侵襲的治療だけの表であって、手術や神経ブロックなどは、含まれていません。またこれは、米国の話であって、日本の話ではありません。

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(2)各国の腰痛診療のガイドラインを比較した論文を読みました。

この論文によれば、腰痛診療のプライマリー・ケアにおいて、各国のガイドランが共通して勧めているのは、つぎのようなことであるとのことです。これらは、いずれも、骨折や感染やがんなどを除いた非特異的腰痛に対する勧めです。

①患者さんに情報を提供すべきこと
②可能な限り、体を動かすこと
③段階的に、普段の活動に戻すこと
④腰痛が残っていても、なるべく早期に仕事に戻ること
⑤腰痛の薬物治療としては、アセトアミノフェンが第一選択であること
⑥腰痛の薬物治療としては、非ステロイド消炎鎮痛剤が第二選択であること
⑦腰痛治療としてのベッド上安静は、可能な限り短くすること
 (いくつかのガイドラインは、「2日以上のベッド上安静をアドバイスすべきでない」と述べている)
⑧監督付きの運動プログラムは、急性腰痛には適用されないこと
⑨監督付きの運動プログラムは、亜急性や慢性の腰痛に適用されること(推奨されること)
⑩ある運動プログラムが、他の運動プログラムより優れているという証拠はないこと