(1)長谷川教授は、性差の起源について、進化心理学の立場から、次のように、分かりやすく説明しておられます。(性差シンポジウム、「性差の起源を探る:生物学的性差と社会」p5)
https://most-keep.jp/keep25/toolkit/uploads/dir_m-toya_kdp_biglobe_ne_jp/seisa.pdf
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①小さい配偶子を作る個体を雄と呼び、大きい配偶子を作る個体を雌と呼ぶ
②小さい配偶子(精子)は数が多く、大きい配偶子(卵子)は数が少ない
③あらゆる年代で、雄の方が死亡率が高い
④配偶子の大きさと数の違いが、雄、雌それぞれの繁殖の見通しの違いを生むので、「生きていく間にどのような事柄に時間とエネルギーを配分するか」(生活史戦略)に違いが生じる。
⑤雄の間には配偶者獲得競争が生じる。雄は雌を選択する。雌の間にも配偶者獲得競争が生じる。雌も雄を選択する。また、雌雄は対立する。
⑥雌雄の対立には軍拡競争が起きる。現状は拮抗点にいる。
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(以下は私の意見です)
雄の子どもが、成長する際には、雌の生活史戦略を取り込むだけではうまく行かず、雄の生活史戦略を取り込む必要があります。
(なぜ、雄や雌があるのかという問題に対して)
雄や雌があれば、⑤のような競争が起きて、その種の進化が進むということです。このように、雄と雌に関する問題に対しては、進化心理学的な解釈が、一つの解答になります。
雄や雌があれば、⑤のような競争が起きて、その種の進化が進むということです。このように、雄と雌に関する問題に対しては、進化心理学的な解釈が、一つの解答になります。
ただし、こうした見方を安易に口外すれば、非難される可能性があります。事実を暴露されて不利益をこうむる人は、反撃してくるでしょう。コペルニクスは「地球は太陽を回っている」と述べてひどい目に会いました。しかし、何が真実であるかをを知っておくことは必要なことです。
また、両性の平等を説く論者は、性差の存在を前提にするような議論には反対するかもしれません。
(2)ミズーリ大学教授のMartha Denckla氏は、次のように述べておられます。
「男性と女性の脳は、どのように異なるか」 WebMD、2005年4月11日
「男性と女性の差は、相互補完的である」
両者が協力して初めてうまくいくということです。