文藝春秋2015年5月号の「医学部エリートが病気を作っている」(白澤卓二教授)を読みました。
http://gekkan.bunshun.jp/articles/-/1276

白澤教授は次のように述べておられます。
・健康診断の基準値は、何度も増減されたが、それは医学的見地からではなく、経済的見地から行われた。
・悪玉コレステロールについて、女性は180、男性は160になるまでは、気にする必要はない
・糖尿病は、食事治療なら治るが、薬では治らない
・高血圧の仕組みが国民に開示されていないので、いつまでたっても高血圧の患者が減らない
・健康診断の胸部レントゲン写真を行っても、行わなくても、肺がんの死亡率は変わらない

そして、重要なのは予防医学と栄養学であるとして、現在、教科書を作成中であるとのことです。白澤先生のご意見は、欧米の科学的研究の成果を踏まえたものです。単なる一人の風変わりな意見ではありません。今後、正しいことが示される可能性があります。


私は、その教科書に書いて欲しいことを考えてみました。以下のようです。

日本の良い点
  寿命が長いこと(魚の消費が多い。肉の消費が少ない。砂糖の消費が少ない)
  学校給食があるので、正しい食事がどのようなものかを、人々が理解していること
  多くの人が、比較的安い費用で、医療を利用できること

薬物依存症
  薬物依存症とは、どのようなものか
  なぜ薬物依存症になるのか
  薬物依存の例(アルコール、タバコ、カフェイン、砂糖など)
  治療法

栄養学の基礎知識
  アミノ酸桶、ドベネックの桶(最も少ない栄養素で決まる)
  欠乏症(一つでも不足すると病気になる)
  栄養学の歴史(脚気、壊血病)

未開の人々
  歯を磨かずフッ素を使わないが、虫歯は無い
  肥満も無く、高血圧も無く、心筋梗塞も無く、認知症も無い
  (ただし、感染症、下痢、栄養不良が多い)
  現代のメタボの人9人が、野菜と果物と魚で12日間暮らすと、血圧は正常化し、コレステロールは下がり、体重も4.4kg減少した(BBCの実験)

味覚の仕組み
  化学的分析をしている。水溶性物質のみ(デンプンと糖の関係)

肥満の仕組み
  体重コントロールの仕組み
  砂糖による肥満、不足栄養素による肥満

人体に有害なもの
  放射線、紫外線、発がん物質、催奇形性物、砂糖、重金属

微生物学
  細菌、ウイルス
  微生物学の歴史、消毒法、予防法

ストレス
  ポジティブ心理学

運動
  運動と精神
  具体的な運動の処方例

リスク認知
  進化心理学的な視点
  リスク・コミュニケーションの方法