「慢性疼痛の運動療法」について調べました。次の(1)から(5)のうち、(1)と(2)は、すでに先日、当ブログでご紹介申し上げています。
(1)舞子台病院リハ科の宇野氏らは、次のように述べておられます。
「慢性痛に対し運動療法が主観的疼痛や身体機能が改善させるとの報告は多い」。
「慢性疼痛患者に対する運動療法による疼痛改善効果に関与する精神心理社会的因子の検討」第49会理学療法学術大会、2014年5月31日
http://pt49-kanagawa.jp/abstracts/pdf/1171.pdf
http://pt49-kanagawa.jp/abstracts/pdf/1171.pdf
(2)オランダのエラスムス医療センターのBart Koes氏らは次のように述べておられます。
「13ヵ国と2地域の、非特異的腰痛のプライマリー・ケアのガイドラインを比較検討したところ、各ガイドラインに共通する部分は、早期から段階的に体を活動させることと、ベッドの上安静をなるべく避けることであった」。
「An updated overview of clinical guidelines for the management of non-specific low back pain in primary care」Europian Spine Journal, 2010年7月3日
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2997201/
(3)オランダのロッテルダムの大学医療センターのvon Middelkoop氏らは、次のように述べておられます。
「次のような保存的治療のうちで、運動療法は、治療後の除痛効果、長期的な機能改善に優れていた」。
(運動療法、経皮的神経刺激、レーザー治療、マッサージ、行動療法、牽引、学際的治療、腰のサポート、温熱療法)。
「A systematic review on the effectiveness of physical and rehabilitation interventions for chronic non-specific low back pain」、Eur Spine J (2011) 20:19-39
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3036018/
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3036018/
(4)カナダのトロントの労働健康研究所のJill Hayden氏らは、次のように述べておられます。
「ストレッチや筋力増強訓練を含む内容で、患者さんごとにデザインされたプログラムであって、監督付きの運動療法は、非特異的腰痛患者さんの疼痛を減らして、機能を改善するであろう」。
「Systematic Review: Strategies for Using Exercise Therapy To Improve Outcomes in Chronic Low Back Pain」、Ann Intern Med. 2005;142:776-785
http://annals.org/article.aspx?articleid=718376
(5)福島県立医大の岩渕真澄先生は次のように述べておられます。
「従来、ベッド上安静は腰痛に対する治療手段として広く行われていた。しかし、現在では、その効果は低いとするエビデンスレベルの高い報告が多い。急性期の腰痛であっても、なるべく普段の活動性を維持することは、より早い痛みの改善につながり、休業期間の短縮にも効果的であるということを認識すべきである」
「職業性腰痛では、腰痛発症後も活動性の仕事内容の変更などでなるべく早く復職することにより、腰痛の遷延や身体障害の発生が予防され、病休の長期化を防ぐ」
「痛みのマネジメントupdate 」日本医師会雑誌、143巻、特別号(1)、2014年、「腰痛診療ガイドラインに関して」