砂糖について以下のような文章を読みました。
(1)英国国営放送BBCは、次のように報じています(2014年9月16日)。「英国政府のアドバイザーらは、WHOと同様に、砂糖の消費を総エネルギー摂取量の10%から5%に減らすように、政府に助言した」。「BMC公衆衛生雑誌で、ある研究者は、砂糖の消費を3%以下に減らすよう提案した」。「砂糖を減らす運動を行うグループAction on Sugar campaign groupのメンバーは、砂糖に対する課税や、学校や病院では甘い飲み物の自動販売機を撤去することを政府に求めている」。
http://www.bbc.com/news/health-29212780
http://www.bbc.com/news/health-29212780
英国政府の国民健康サービスNHSは、このBBCのニュースを次のように解説しています(2014年9月16日)。
「大学ロンドンのAubrey Sheihamらは、総エネルギー比で1%~15%までの砂糖を摂取した時の虫歯の発生率を調べた。その結果を基に、砂糖消費量の目標値を、現状の10%から3%以下に減らすように提案した(BMC Public Health 2014; 14:863)」。
http://www.nhs.uk/news/2014/09September/Pages/Sugar-intake-guideline-needs-lowering.aspx
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmedhealth/behindtheheadlines/news/2014-09-16-sugar-intake-guideline-needs-lowering/
「大学ロンドンのAubrey Sheihamらは、総エネルギー比で1%~15%までの砂糖を摂取した時の虫歯の発生率を調べた。その結果を基に、砂糖消費量の目標値を、現状の10%から3%以下に減らすように提案した(BMC Public Health 2014; 14:863)」。
http://www.nhs.uk/news/2014/09September/Pages/Sugar-intake-guideline-needs-lowering.aspx
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmedhealth/behindtheheadlines/news/2014-09-16-sugar-intake-guideline-needs-lowering/
(2)「砂糖をやめればうつにならない」(生田哲先生、2012年)を読みました。
この本の中には、次のような小見出しがありました。
・ブドウ糖不足でイライラ、混乱、集中力の欠如
・砂糖はうつを引き起こす
・甘いものをやめればうつもイライラもなくなる
・甘いもので記憶力が低下する
・記憶と学習に障害を起こす糖尿病
・砂糖水を飲み続けるネズミ
http://www.amazon.co.jp/%E7%A0%82%E7%B3%96%E3%82%92%E3%82%84%E3%82%81%E3%82%8C%E3%81%B0%E3%81%86%E3%81%A4%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84-%E8%A7%92%E5%B7%9Done%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%9E21-%E7%94%9F%E7%94%B0-%E5%93%B2/dp/4041103126
・ブドウ糖不足でイライラ、混乱、集中力の欠如
・砂糖はうつを引き起こす
・甘いものをやめればうつもイライラもなくなる
・甘いもので記憶力が低下する
・記憶と学習に障害を起こす糖尿病
・砂糖水を飲み続けるネズミ
http://www.amazon.co.jp/%E7%A0%82%E7%B3%96%E3%82%92%E3%82%84%E3%82%81%E3%82%8C%E3%81%B0%E3%81%86%E3%81%A4%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84-%E8%A7%92%E5%B7%9Done%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%9E21-%E7%94%9F%E7%94%B0-%E5%93%B2/dp/4041103126
(3)オスロ大学の研究所のLars Lien氏は、次のように述べておられます。
「15歳と16歳の生徒5547人に、質問紙により、次のような感情の強さを4段階に評価してもらった(パニックに陥っている、不安である、めまいがする、緊張した、眠い、悲しい、無価値な、希望が無い)。また、いろいろな食物摂取の多寡を6段階に評価してもらった。ソフト・ドリンクを多く飲む生徒は、精神衛生の面での問題を抱えていた」。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1586153/
「Consumption of Soft Drinks and Hyperactivity, Mental Distress, and Conduct Problems Among Adolescents in Oslo, Norway」 Lars Lien、Am J Public Health 2006;98(10):1815-1820
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1586153/
「Consumption of Soft Drinks and Hyperactivity, Mental Distress, and Conduct Problems Among Adolescents in Oslo, Norway」 Lars Lien、Am J Public Health 2006;98(10):1815-1820
(4)エジンバラ大学のJohannes Hebebrand氏らは、「砂糖は、内在するオピオイド経路を確かに活性化させるのであるが、それは砂糖という物質が活性化させるのではなく、砂糖を消費する行動が活性化させるのである」と述べています。そして、「人間の依存的な行動は、しばしば、記憶、退屈、恥、後ろめたさ、習慣、衝動、禁止、抑うつ、不安などを伴う」とのことです。
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0149763414002140
「“Eating addiction”, rather than “food addiction”, better captures addictive-like eating behavior」Johannes Hebebr、Neuroscience & Biobehavioral Reviews、Volume 47, November 2014, Pages 295?306
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0149763414002140
「“Eating addiction”, rather than “food addiction”, better captures addictive-like eating behavior」Johannes Hebebr、Neuroscience & Biobehavioral Reviews、Volume 47, November 2014, Pages 295?306
このJohannes Hebebrand氏らの研究は、反響のある研究でした。
http://www.bbc.com/news/uk-scotland-edinburgh-east-fife-29126872
http://www.ed.ac.uk/news/2014/140908-eatingaddiction
http://www.bbc.com/news/uk-scotland-edinburgh-east-fife-29126872
http://www.ed.ac.uk/news/2014/140908-eatingaddiction
次のような文を書きました。
公害
映画「エリン・ブロコビッチ」は、六価クロムの公害を発掘する硬派の映画です。私は学生の頃、有害物質についての授業を受けました。授業では、公害についても触れられていました。その時に私は、埋もれた公害を発掘したいと考えました。何人かのクラスの人と話をすると、皆、同じ意見でした。「しかし、もう埋もれた公害は、残っていないだろうな」と誰かが言いました。4大公害裁判では、学者の役割は、科学的事実を証明するだけで済みました。学者の証言により、4大公害裁判では、患者・被害者側の主張が認められました。
映画「エリン・ブロコビッチ」は、六価クロムの公害を発掘する硬派の映画です。私は学生の頃、有害物質についての授業を受けました。授業では、公害についても触れられていました。その時に私は、埋もれた公害を発掘したいと考えました。何人かのクラスの人と話をすると、皆、同じ意見でした。「しかし、もう埋もれた公害は、残っていないだろうな」と誰かが言いました。4大公害裁判では、学者の役割は、科学的事実を証明するだけで済みました。学者の証言により、4大公害裁判では、患者・被害者側の主張が認められました。
薬物依存症
しかし、薬物依存症では、様相がかなり異なっています。近くのスーパーでも売られている依存性薬物は、アルコール、タバコ、砂糖、カフェインの4つです。例えば、日本では、タバコ病裁判で、患者・被害者側が勝訴したことは一度もありません。学者が、裁判所で有害だと言うだけでは済まないのです。国連のタバコ枠組み条約は、日本でも批准されましたが、この条約により禁止されたはずのタバコの広告は、かなり復帰しています。週刊誌上でタバコの広告を以前と同じように見かけます。パソコンのインターネット上でも、日本タバコ産業の広告を、毎日のように見かけるようになりました。
しかし、薬物依存症では、様相がかなり異なっています。近くのスーパーでも売られている依存性薬物は、アルコール、タバコ、砂糖、カフェインの4つです。例えば、日本では、タバコ病裁判で、患者・被害者側が勝訴したことは一度もありません。学者が、裁判所で有害だと言うだけでは済まないのです。国連のタバコ枠組み条約は、日本でも批准されましたが、この条約により禁止されたはずのタバコの広告は、かなり復帰しています。週刊誌上でタバコの広告を以前と同じように見かけます。パソコンのインターネット上でも、日本タバコ産業の広告を、毎日のように見かけるようになりました。
依存性薬物の製造者、販売者(小売業者)、政府、裁判所などは一体として、権力機構を構成しています。
日本のマスコミの問題もあります。アルコール産業や砂糖産業は、テレビ番組の主要なスポンサーの一つです。アルコールの害、砂糖の害について、あまり放送されていません。依存性薬物の害について検索しても、日本のマスコミのホームページの記事には、あまりヒットしません。
日本の大学の問題もあります。日本語の論文には、利害関係者から利益供与を受けたかどうかの記載がほとんど見当たりません。砂糖など依存性薬物の害について検索しても、日本の大学のホームページの記事には、あまりヒットしません。日本国内で、砂糖の害について一般への広報を行っているのは、ごく限られた研究者です。また、英語の論文の多くは、ネット上で全文を読めますが、日本語の論文の多くは、ネット上で要旨さえ読めません。
対応は非常に困難です。
当面どうするか
とりあえず、できることは、情報提供です。WHOや米国の政府機関など、情報源として信頼できる機関による情報を中心として、欧米のマスコミによる報道や大学における研究の内容を補足として、情報提供を行うことが考えられます。このブログは、そのようなことを目指したものです。URLや学術雑誌名を書いておきましたので、直接に原典にあたることが可能です。
とりあえず、できることは、情報提供です。WHOや米国の政府機関など、情報源として信頼できる機関による情報を中心として、欧米のマスコミによる報道や大学における研究の内容を補足として、情報提供を行うことが考えられます。このブログは、そのようなことを目指したものです。URLや学術雑誌名を書いておきましたので、直接に原典にあたることが可能です。