砂糖の害について、以下のように情報収集しました。
 
(1)「Fructose hampers hormone that controls appetite, UF study finds」2008年10月16日
http://news.ufl.edu/archive/2008/10/fructose-hampers-hormone-that-controls-appetite-uf-study-finds.html
フロリダ大学ニュースは、同校の研究者Alexandra Shapio氏の研究を、次のように紹介しています。
 
「Alexandra Shapio氏が、総エネルギーの60%の果糖をラットに6ヶ月間与えたところ、血液中の中性脂肪の値は上昇した。体重、血液中のレプチン濃度、インスリン濃度、血糖値、コレステロール値は変わらなかった。しかし、レプチンの効果を調べたところ、果糖を摂取したラットは、レプチンに抵抗性を示した」。
 
「レプチン抵抗性は、通常、肥満の進展に伴って進行する。果糖を多く摂取するとレプチン抵抗性が生じるが、その場合、肥満していなくてもレプチン抵抗性は生じる。その際に、果糖と共に多くの脂肪を与えるならば、肥満は予想する以上に速く進行する」。
 
(2)「Fructose, high-fructose corn syrup, sucrose, and nonalcoholic fatty liver disease or indexes of liver health: a systematic review and meta-analysis」、Mei Chungら、Am J Clin Nutr 2014年8月6日、Vol. 100 No.3 833-849
http://ajcn.nutrition.org/content/100/3/833.full
タフツ大学メディカル・センターのMei Chung氏らは、次のように述べておられます。
 
「果糖ないしショ糖を多く摂取すると、肝臓の指標(肝臓脂肪、肝臓の脂肪新生、アラニン・アミノ酸転移酵素、AST、yグルタミル・転移酵素など)に明瞭に影響を与える。しかしこの影響が、果糖ないしショ糖の直接の効果によるものか、果糖やショ糖が引き起こした肥満による二次的なものかは、今回のデータからは不明であった」。
 
(3)「Fructose Consumption as a Risk Factor for Non-alcoholic Fatty Liver Disease」、Xiaosen Ouyangら、J Hepatol 48(6);993-999、2008年6月
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2423467/
フロリダ大学のXiaosen Ouyang氏らは、次のように述べておられます。
 
「果糖は、非アルコール性脂肪肝を作るのにある役割を果たすようである。果糖は、脂肪を生成し、中性脂肪の合成を促す。『ラットに果糖を長期間与えたところ、肝臓のマクロやミクロの血管硬化が引き起こされ、肝臓の中性脂肪が198%増加し、肝臓のコレステロール濃度が89%増加した』とする報告がある。果糖の多い餌で飼育したアヒルは、脂肪肝を生じるが、『エネルギー摂取量の25%の量のショ糖(その半分が果糖)を与えたところ、18日以内に肝臓のALTとASTの値は上昇した』とする報告がある」。
 
「我々は、肝生検により診断確定した非アルコール性脂肪肝の患者さん49名(肝硬変は無い)と、性・年齢・BMIをマッチングさせた健常者24名とを比較した。非アルコール性脂肪肝の患者さんの果糖摂取は、1日平均365kcalであったが、健常者は170Kcalであった。」
 
(4)「Soft drink consumption is associated with fatty liver disease independent of metabolic syndrome」、Ali Abidら、Journal of Hepatology,51(5),918-924、2009年11月
http://www.journal-of-hepatology.eu/article/S0168-8278(09)00532-7/abstract
イスラエルの Holy Family Hospital のAli Abid氏らは、次のように述べておられます。
 
「非アルコール性脂肪肝がありメタボリック症候群のリスク要因を持つ患者さん31名と、非アルコール性脂肪肝がありメタボリック症候群のリスク要因を持たない患者さん29名と、性・年齢をマッチさせた非アルコール性脂肪肝の無い健常者30名とを比較した。非アルコール性脂肪肝ある患者さんのうち80%の人は過量の(500ml以上の)ソフト・ドリンクを摂取していた。健常者では17%の人がそうしていた」。

(5)映画「Fed up」を見ました。

このDVDは、2014.9.9に発売されました。ただし、リージョン1です。たいていのパソコンやDVDプレーヤーでは、見ることができません。パソコンのリージョンコードを変更するか(数回変更できる)、リージョンフリーのDVDプレーヤーを使うかです。

Youtubeに予告編があります。
 
Youtubeに町山智浩氏の解説があります。米国には健全なジャーナリズムがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=7Cxg8krvoSs

この映画は、子どもの肥満の治療について解説するという点で、ラスティグ教授の著書の「Fat Chance」と構成が同じです。また、カリフォルニア大学テレビUCTVにあるラスティグ教授の講義と方向性が同じです。