砂糖そのものには、発がん性はありません。しかし、砂糖は、間接的にがんを増加させます。
例えば、糖尿病の既往のある人では、がんになる割合は、1.2倍~1.3倍に増加します(「がんの予防」、津金昌一郎監修、2010年)。同書によれば、「糖尿病になる過程では、インスリンの働きが悪くなり、それを補うために盛んにインスリンを分泌させ、高インスリン血症やインスリン様成長因子が増加し、これがこれが肝臓やすい臓の腫瘍細胞を刺激してがん化を促すのではないかとみられます」とのことです(p85)。
(1)ブラウン大学のMichael Fuchs氏は、次のように述べています。
「ステージⅢの大腸がんの患者さん1011人のうち、砂糖で甘くした飲料を1日に2杯以上摂取する人では、2杯未満の人と比べて、がんの再発と死亡の割合が、1.67倍に上昇していた」。
「砂糖で甘くした飲料の摂取と、がんの再発と死亡の割合」
http://dash.harvard.edu/bitstream/handle/1/12406571/4061031.pdf?sequence=1
http://dash.harvard.edu/bitstream/handle/1/12406571/4061031.pdf?sequence=1
(2)ブリティッシュ・コロンビア大学のJames Johnson準教授は、次のように述べています。
「栄養や肥満のようなライフ・スタイルの要因は、すい臓がんの重要なリスク要因となる証拠が多く集められている。脂肪と砂糖の多い食事によって引き起こされるインスリン・レベルの上昇は、すい臓内の細胞の成長速度を上げる。それは、すい臓がんの増大・伸展に寄与し得る」。
「すい臓がんにおける高インスリン血症:栄養とライフスタイルがもたらすリスクの一つの仕組み」
http://www.crs-src.ca/page.aspx?pid=1921
http://www.crs-src.ca/page.aspx?pid=1921
(3)カロリンスカ研究所のSusanna Larsson氏ら、は次のように述べています。
「7万7千人の成人男女を7年間追跡調査したが、砂糖を多く消費する人では、少なく消費する人に比べて、1.69倍のすい臓がんが発生した」。
「砂糖と砂糖で甘くした食品の消費と、すい臓がんのリスクについての前向き調査」
http://ajcn.nutrition.org/content/84/5/1171.full
http://ajcn.nutrition.org/content/84/5/1171.full
(4)カリフォルニア大学のジョンソン包括的がんセンターのAnthony Heaney博士は、次のように述べています。
「すい臓がんは、果糖を利用して細胞分裂を行うことができる。そしてがんの発育をより速くすることができる」。
「すい臓がんは、成長を促進するために、西洋の食事によく含まれる果糖を利用する」
果糖は、通常は、肝臓以外の臓器では代謝されません。すい臓のがん細胞は、果糖を利用して細胞分裂を行うことができるのです。
(5)サニーブルック健康科学センターのVasundara Venkateswaran氏は、次のように述べています。
「精製された炭水化物の多い食事は、腫瘍の成長増大と関係がある」。
「栄養摂取によって生じた高インスリン血症と、前立腺がんの移植片の成長の加速との関係」
https://www.mcgill.ca/files/pollak-lab/Venkateswaran_et_al_2007.pdf
https://www.mcgill.ca/files/pollak-lab/Venkateswaran_et_al_2007.pdf
(6)2007年のWCRF、AICRの「食物・栄養・身体活動とがん予防」によれば、砂糖を含む食品は、大腸がんのリスク上昇については、「限定的」と判定されています。
http://www.dietandcancerreport.org/cancer_resource_center/downloads/summary/SER-SUMMARY-(Japanese).pdf
http://www.dietandcancerreport.org/cancer_resource_center/downloads/summary/SER-SUMMARY-(Japanese).pdf
(7)米国国立がん研究所は、アクリルアミドについて、次のように述べています。
「アクリルアミドは、ポテトチップスやフレンチフライや高い温度で調理された食品に特に多く含まれている。アクリルアミドは、食品の摂取やタバコの喫煙を通じて、体に取り込まれる。アスパラギンはアミノ酸の一つであるが、多くの野菜に含まれる。ある種のイモには、特に多く含まれる。アスパラギンが糖の存在下で、高温で加熱されると、アクリルアミドが生成される」。
http://www.cancer.gov/cancertopics/factsheet/Risk/acrylamide-in-food
http://www.cancer.gov/cancertopics/factsheet/Risk/acrylamide-in-food
(8)リーディング大学の Donald Mottram 教授らは、次のように述べています。
「食品が加熱調理される際に、食品成分中のアミノ酸と還元糖との間にメイラード反応が起こり、それによりアクリルアミドが生成されることを我々は示した。アスパラギンは、ポテトやシリアルに含まれるアミノ酸であるが、我々は、このアスパラギンが、アクリルアミド生成の重要な要素であることを発見した」。
「食品化学:アクリルアミドはメイラード反応により生成される」
http://www.nature.com/nature/journal/v419/n6906/full/419448a.html
http://www.nature.com/nature/journal/v419/n6906/full/419448a.html
(9)アメリカ栄養協会は、アクリルアミドやAGEsについて概説した後に、次のように述べています。
「揚げた食品や焼いた食品は、避けるか最少限にすべきです」。
(10)厚生労働省は、次のように述べています。
・国際がん研究機関(IARC)は、アクリルアミドを2A(人に対しておそらく発がん性がある)に分類している。
・FAO/WHO合同食品添加物専門家会議は、食品中アクリルアミド濃度を減らす努力を続けるべきであると述べている。
・英国食品基準庁は、アクリルアミドのようなDNAを損傷させる発がん物質への暴露は合理的に達成しうる限り低くするべきだと述べている。
・FAO/WHO合同食品添加物専門家会議は、食品中アクリルアミド濃度を減らす努力を続けるべきであると述べている。
・英国食品基準庁は、アクリルアミドのようなDNAを損傷させる発がん物質への暴露は合理的に達成しうる限り低くするべきだと述べている。
「加工食品中アクリルアミドに関するQ&A」
http://www.mhlw.go.jp/topics/2002/11/tp1101-1.html
http://www.mhlw.go.jp/topics/2002/11/tp1101-1.html
アクリルアミドは、ポテトチップス、フレンチフライなどに多く含まれています。