砂糖と認知症について、以下のような論文を読みました。

(1)ニューヨークタイムズ紙は、「高血糖は、認知症をもたらす」という文章の中で、次のように述べています。
 
「糖尿病のある人は、アルツハイマー病になるリスクが増加する。また、その他の認知症になるリスクも増加する」(ニューヨークタイムズ紙、2013.8.9)
http://newoldage.blogs.nytimes.com/2013/08/09/high-blood-sugar-linked-to-dementia/?_php=true&_type=blogs&_r=0
 
(2)国立循環器病研究センターの猪原匡史先生は、「高血糖とアルツハイマー病」(なぜ糖尿病患者にアルツハイマー病が高率に発症するのか)という論文において、次のように述べておられます。
 
「糖尿病ではなくとも平均血糖値が高めの人は、認知症の発症率が高くなることが明らかとなっている。糖尿病という疾患の存在よりも高血糖そのものがアルツハイマー病を含む認知症発症に寄与する可能性があり、そのメカニズムが注目されている。高血糖が持続することによる終末糖化産物(AGE)の増加とその結果引き起こされる血管内皮障害、インスリン抵抗性、低血糖イベントの合併などがその原因と考えられる」。(医学のあゆみ、249巻6号、2014.5.10)
 
(3)北陸大学の竹内正義先生は、「生活習慣病におけるtoxic AGEs病因説」という論文の中で、次のように述べておられます。
 
「各種AGEsの中でもAGE-2(グリセルアルデヒド由来のAGE)が特異的に神経細胞障害を引き起こし、アルツハイマー病の発症、進展に関与する」(北陸大学紀要28号、2004年)。http://www.hokuriku-u.ac.jp/establishment/library/pdf/kiyo28/yaku3.pdf
 
(4)ガーディアン紙は、「油で揚げた肉や直火で焼いた肉は、糖尿病と認知症のリスクを高めるかもしれない」という文章の中で、次のように、Weijing Caiらの論文を紹介しています。
 
「AGEsの多いエサで育てた実験動物は、脳の中にβアミロイド蛋白が溜まり、認知機能と運動能力が低下した。血中のAGEs濃度の高いヒトを9ヶ月以上観察したところ、認知能力が低下し、インスリン抵抗性が悪化した」。
 
そして、「この研究の最もエキサイティングな部分は、糖尿病がどのようにして認知症と関連するかを説明している点である」と述べています。
http://www.theguardian.com/science/2014/feb/25/fried-grilled-meat-risk-diabetes-dementia-glycotoxins