(1)「脳を鍛えるには運動しかない」(ジョン・レイティ、野中訳、2009年)を読みました。

慶応大学の坪田教授は、アンチ・エイジング医学紙上で、この本の著者にインタビューをしておられます(2012年、8巻1号)。坪田教授は、この本を10冊買って、周囲の人に配ったそうです。

この本は、運動が脳に与える影響を、医学的に正面から評価して書いたものです。この本には、次のようなことが書いてあります。

「アメリカのある高校は、学業成績は中位でした。あるとき、体育の先生は、生徒に始業前に走ることを求めました。それは健康増進の目的でした。しばらくすると、生徒の健康は増進されました。それと同時に学業成績が伸びて、上位の成績になりました。また、この高校は国際比較テストに参加し、非常に良い成績を収めました」。

著者によれば、学習にとって、運動は必須のものであるそうです。著者の考察によれば、昔、外で狩を行うときには学習が行われたが、家で安静にしているときには学習はあまり行われなかったとのことです。

運動を行ってしばらくすると(30分くらいすると)脳に血流が戻ってくるので、その時に勉強すると、学習効果が大きいとのことです。運動をすると、神経成長因子が分泌され、神経細胞の成長を促します。単に運動するだけではダメで、運動の後で、頭を使う必要があるとのことです。

京都大学の山中教授は、昼休みにジョギングをしておられるそうです。これが、大発見の秘訣かもしれません。最近、私は昼休みにラジオ体操をしています。小発見くらいできるかもしれません。

著者によれば、強制された運動では効果が少なく、自発的に行わないと効果が少ないそうです。効果を信じて自発的に行う者にのみ、ご利益は現れるようです。

その他にも、著者は、「運動は、ストレス、うつ病、薬物依存症、老化にも効果がある」として、その根拠をそれぞれ詳しく述べておられます。

なお、この著者は、低炭水化物食を勧めていません。「減量はできるが、脳にはよくない」と述べています。「全粒の穀物は、複合糖質を含み、単純糖質のように急激に増減しない安定したエネルギー供給をもたらす」とのことです(p299)。

(2)映画「メリーポピンズ」の歌「Spoon Full of Sugar」を聞きました。

ジュリー・アンドリュースは、子守の映画が上手です。この歌は「スプーン1杯の砂糖があれば、苦い薬も楽に飲める」と言っています。
 
それは、その通りです。薬による不快な刺激は、砂糖によりマスクされます。麻薬のヘロインが、痛みをマスクするのと同じ仕組みです。私は子どもの頃に、砂糖漬けの肝油を長期に服用しましたが、過剰症から来る不快感はマスクされました。

(3)「28日間の食事療法で、若い皮膚を取り戻す

英国 Daily Mail 紙は、次のように伝えています(Mail Online 2014年4月12日)。

「通常の人は、最終糖化産物AGEを1日に平均して15000(kU)ほど食事から摂取しています。それを、1日5000~8000(kU)を超えないようにして、28日間を2人の女性に過ごしてもらいました。そうしてその効果を検討しました。

最終糖化産物AGEは、高温で調理した食品に多く含まれます。焦げた部分や、キツネ色に着色した部分に多く含まれます。生(なま)の食品には、わずかしか含まれません。

42歳の女性ケートさんは、見た目の年齢が39歳でした。この食事療法を28日間続けたところ、見た目の年齢が33歳になりました。6歳若返りました。

54歳の女性デボラさんは、見た目の年齢が49歳でした。この食事療法を28日間続けたところ、見た目の年齢が46歳になりました。3歳若返りました」。

(4)スポニチ「老け顔の原因はAGEにあった」(2013.9.30)
J Am Diet Assoc. Jun 2010: 110(6): 911-16