明日から、日本でもハーグ条約が発効します。明日からは、連れ去られた子どもは、裁判によって元の国へ戻されるのです(遡及は、しません)。

子どもが健全に発達する上で、父親も母親も大きな役割を果たしています。子どもは両方の親と充分な関わりを持って育てられる必要があります。

アメリカ厚生省は、下のような記事をホームページに載せて、一般国民に広報しています。父親が子どもの発達に重要な役割を果たしていることは、米英豪の政府機関によく知られていますが、日本では、あまり知られていません。父親の重要な役割について、子どもを連れ去った母親や、家庭裁判所に知らせる必要があります。

・多くの研究によって明らかであるのは、「父親が、子どもに関わり、子どもを養い、子どもと遊ぶのであれば、その子どもは、より高いIQを持ち、言語的能力や認識能力により優れる」ことである。
・父親が小さい子どもとよく遊ぶのであれば、その子どもは、より忍耐強く、ストレスや欲求不満をよりうまく対処し、学校で学ぶことがより上手である。
・多くの研究が明らかにしているのは、積極的で育てる形の父子関係があれば、子どもの思春期に、より良い言語能力、知的能力、学業成績がもたらされることである。
・父子のやり取りを通じて、子どもは自分の感情と行動をコントロールする仕方を学ぶ。
・父親は子どもに自立を促す。そして、外の世界を子どもに紹介する。
・母親は子どもの身の回りの世話をするが、父親は子どもの発達を促す。子どもには、両者が必要である。
・多くの研究によれば、父親と暮らす子どもは、身体的にも精神的にもより健康であり、学業成績がより良く、薬物を避け、暴力や非行を避ける。

父親が子どもと過ごす時間が重要である理由は、少なくとも3つ有る。第一に、父親は、こどもと一緒に時間を過ごすことによって、子どもを知ることができる。多くの時間を一緒に過ごすことによって、子どもの徳をよく知ることができる。また、子どもの希望、恐れ、熱望、理想を知ることができる。第二に、子どもと多くの時間を過ごす父親は、子どもの扱いが適切である。一緒に多くの時間を過ごすことにより、父親は、子どもが愛情・注視・方向づけ・しつけのいずれを必要としているかについて、より適切に理解できる。第三に、子どもは、父親が自分のために使ってくれた時間の長さを、自分への愛情の深さを示すものとして受け取る。

父親は、子どもと遊ぶことにより、世界を探検する仕方を子どもに教え、攻撃的衝動の抑え方を子どもに教える。父親との遊びは、子どもの発達に特別の意義を持っている。だから、父親は、子どもと遊んだり、楽しいことをするなどして、多くの時間を子どもと過ごさなければならない。

父親は、子どもの年齢に応じて、活動的で、体を動かして遊ぶようにする必要がある。受動的にテレビを見るよりも、サッカーをしたり、バスケットをしたり、ハイキングをしたり、図書館に行ったりする方が良い。

父親は、子どもと一緒に、家の雑事をしたり、夕食後にお皿を洗ったり、裏庭を掃除するなど、生産的なことをしなければならない。研究が一貫して示しているのは、こうした活動を子どもと一緒にすることは、子どもに責任感や意義の感覚を生じさせ、後でさらに、高い自己評価、学業の成果、職業的成果、精神的安定、市民参加などを、もたらすことである。

父親は、子どもの知的発達を促すことにも時間を使わなければならない。研究によれば、子どもに本を読んであげたり、学校の先生に会ったりするなど、父親が子どもの学業に関与することは、子どもの学業の成功に、重要な役割を果たしている。

父親は、困難な状況にどのように対処すべきかについて、子どもに「心の地図」を提供する。

父親は、自立して行動する機会を子どもに少しずつ与え、その自立をうまく使うようにさせることによって、子どもが大人の世界へ入って、そこで挑戦する時に備えて、子どもに準備をさせる。

役割モデルとしての父親から子どもへの影響は、一緒に過ごす時間の長さに比例する。